【お客様事例】モバイル型リアルタイムPCR装置「Franklin」を用いた 野外フィールドにおけるバクテリアの16S rRNAの検出

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アプリケーションノート 2021<08>
製品名:Franklin™ Real-Time PCR Thermocycler(Cat.No.1000005/SET)
メーカー名:Biomeme, Inc.

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本データは、広島大学 学術・社会連携室 環境遺伝生態学分野 藤吉 奏 様のご厚意により掲載させていただきました。

実験概要

本機器は、電源がない野外フィールドなどで、PCRを実施することができるモバイル型リアルタイムPCR装置である。
海洋に生息する微生物量をオンサイトで分析可能かを検証するため、本機器および試料採取・測定のために必要な機材・器具類をスーツケースひとつにまとめ(Fujiyoshi et al. 2020, Env Sci. Pollut Res, 28: 14144–55)、広島大学生物生産学部付属練習船基地にて測定を実施した。

実験 1 : 実験室内で培養株を用いた予備実験

実験室において培養したCocleimonas flavaより、ZymoBIOMICS DNA Miniprep Kitを用いてDNAを抽出した。
抽出したDNA(100 倍希釈)を鋳型として、以下の条件にてqPCRを行った。

  • サンプル
    Cocleimonas flava 1コロニー
  • 核酸精製キット
    ZymoBIOMICS DNA Miniprep Kit(ZYMO RESEARCH, Cat. No. D4300)
  • Standard Template DNA
    Cocleimonas flavaのゲノムDNAにおける16S rRNA遺伝子 V1-V9 領域のPCR増幅産物
  • PCR試薬
    KAPA3G Plant PCR Kits(KAPA BIOSYSTEMS, Cat. No. KK7251)
  • 反応組成
    PCR grade water 6.54 μL 6.54 µL
    2X KAPA Plant PCR Buffer 10.0 µL
    10 µM Forward Primer 1.0 µL
    10 µM Reverse Primer 1.0 μL
    10 µM Probe(FAM) 0.3 μL
    Template DNA 1.0 μL
    2.5 U/µL KAPA3G Plant DNA Polymerase 0.16 μL
    Total 20.0 μL
  • 反応条件
Step Temperature Time Cycle
Initial Denaturation 95 ℃ 15 sec
Denaturation 95 ℃ 10 sec 40 Cycles
Annealing 60 ℃ 30 sec

Active Channels : Green


反応条件の設定画面


Franklin

  • プライマー, プローブ
    Total bacterial 16S rRNA gene
    Forward Primer(1055f): 5′-ATGGCTGTCGTCAGCT-3′
    Reverse Primer(1392r): 5′-ACGGGCGGTGTGTAC-3′
    Probe(16STaq1115): 5′-[6-FAM]-CAACGAGCGCAACCC-[6-TAMRA]-3′
    (Hams et al. 2003, Environ Sci.Technol. 37, 343–51.)

結果

  Sample(100-fold dilution) Standard 10³ copies/μL Standard 10⁵ copies/μL Standard 10⁷ copies/μL
Cq 27.24 26.61 23.26 17.95

検量線より算出したサンプル原液のコピー数 : 7.3 x 10⁴ copies/μL

結果 予備実験では、目的遺伝子を検出することができた。

実験 2 : 野外フィールドにおける実験

野外フィールドにおいて採取した海水をろ過したフィルターから抽出したDNAを鋳型として、qPCRを行った。

  • サンプル
    500 mLの海水をろ過したφ0.22 μmフィルター

核酸精製キット, Standard Template DNA, PCR試薬, 反応組成, 反応条件, プライマー, プローブ, は、実験1に準じる。

結果 2

  Sample Standard 10³ copies/μL Standard 10⁵ copies/μL Standard 10⁷ copies/μL
Cq 21.22 27.55 23.70 16.37

検量線より算出したサンプルのコピー数 : 3.0 x 10⁵ copies/μL

結果 野外フィールドでも同様に、目的遺伝子を検出することができた。

まとめ

電源が無い野外フィールドでも、本装置を用いて海洋に生息する微生物のコピー数を算出することができた。

補足1:ZymoBIOMICS DNA Miniprep Kitを使用したDNA抽出工程

※フィールドでの遠心条件
使用遠心機:プチまる8 1.5(2.0)mLチューブ8 本用卓上遠心機(ワケンビーテック株式会社, Cat. No. WKN-2322)
使用遠心機の回転速度は、ZymoBIOMICS DNA Miniprep Kit の取扱説明書記載の回転速度よりも低いため、遠心時間を適宜延長し、DNA抽出を行った。

補足2:藤吉様の研究と野外フィールドにおける実験の様子

  •  藤吉様の研究について
    微生物が微生物同士や環境とどのように相互作用して生息しているかについて、実験・ビックデータ解析の両面から取り組まれています。 
    特に、住環境の微生物動態、微生物と気候変動との関係、赤潮、養殖場の抗生物質耐性に着目されています。
  • 野外フィールドにおける実験について
    上記研究を電源が無い野外フィールドで実施する際、「バッテリー駆動かつ持ち運び可能な装置」としてFranklinが使用されています。
    藤吉様の研究室では、下記の写真のようにひとつのスーツケースに機材・器具類をまとめ(スーツケースラボ)、野外フィールドでの実験が行われております。


野外フィールドでのサンプル採取


サンプル調製の様子


スーツケースラボの中身


qPCR中のFranklin

お客様のコメント

フィールドで実施する際にコンセントがないことが多いため、バッテリー駆動なのは助かりました。
また、スマホから簡単に操作、操作手順に従うだけでランを始めることができました。
作業中は試薬や試料で汚れるためパソコンを出しにくいのですが、結果もスマホからリアルタイムに見ることができるのがよかったです。

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