【お客様事例】TASCLを利用したアルギン酸ゲル上での3次元培養スフェロイドアレイ

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アプリケーションノート 2022<15>
製品名:TASCL600ウェル(Cat.No. TASCL600)
    TASCL1000ウェル(Cat.No. TASCL1000)
メーカー名:株式会社シムスバイオ

下記データは、東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 バイオデザイン分野 青山千裕 様、池内 真志 教授のご協力により掲載させていただきました。

概要

本アプリケーションノートでは、細胞塊三次元培養・分化誘導マイクロプレートTASCLの使用方法の応用として、細胞塊(細胞スフェロイド)をアルギン酸ゲル上で均一間隔にアレイするために用いた事例を紹介します。

背景

3次元培養された細胞は、ディッシュ上で2次元培養した細胞よりも、細胞活性が高く、実際の組織に近いと考えられている。このため、細胞移植治療等で用いる細胞は、細胞塊(スフェロイド)のような3次元培養されたものが使用されるケースが多い。一方、細胞移植では、移植に伴う免疫反応を避けるために、アルギン酸ゲルに包埋したゲルシートを作成し、免疫反応を緩和する方法がある(図1a)。このようなゲルシートで、シート部位に依存せず、安定した効果を得るためには、ゲル中の細胞を均一に部分させることが重要となる。このようなことを考慮すると、アルギン酸ゲル上に、細胞塊を等間隔で配置できることは、細胞封入ゲルシート作成に活用できる有用な技術と考えられる。

TASCLは、シリコーンゴム上にあるメッシュ様の構造をマイクロウェルとして使用し(図1b)、メッシュ構造に沿った位置で、均一な大きさの細胞塊作成ができる3次元培養キットである(図1c)。今回、TASCL上でアルギン酸ゲルを作成し、TASCL作成細胞塊をゲルに移し取ることで、細胞塊が等間隔アレイできたことを報告する。この技術は、スフェロイドを等間隔に配置したアルギン酸ゲルを作成に応用できる技術として期待できる。TASCLイメージ

実験方法

播種条件

  • 使用細胞:iPS細胞
  • 播種条件:1マイクロウェルあたり1000個になるように播種
  • 培養条件:37℃・5%CO2
  • 使用培地:StemFit® AK02N(味の素ヘルシーサプライ)
  • アルギン酸ナトリウム
  • カルシウム塩溶液(CaCO3にグルコノデルタラクトンを添加してCa塩を溶解したもの)
  • ゲル化方法:アルギン酸ナトリウム水溶液にCaCO3を加え、良く混和し、グルコノデルタラクトン添加後、速やかにTASCLにアプライした。

結果

図2:ワークフローワークフロー

図3:
a. 完成したゲルの様子。
b.アルギン酸ゲルにアレイされた胚様体。等間隔で作成細胞塊が配置されているのがわかる。
c.剥離後のTASCL 内の様子。細胞塊はゲル側に移行し、TASCL側には細胞塊はほとんど残存しない。

結論

TASCLを活用することで、細胞塊が均等に配置されたアルギン酸ゲルを作成することができた。

お客様のコメント
ゲルをTASCLから剥離するのにコツが必要です。
ろ紙にゲル面を載せてゆっくり端からTASCLをめくるのがポイントです。ろ紙にくっついたゲルは培地中に移動させれば、容易に外れます。
編集者コメント
本アプリケーションノートでご紹介したゲルでは、スフェロイドがむき出しの状態です。その面に対し、ゲルを重層することで、均一に細胞塊を分布させた細胞塊包埋ゲルが作成できます。今回ご協力いただいた、池内先生によると、通常このようなゲルはマイクロ流路等を使用して作ることが多く、このような簡便な方法で作成できる方法はあまりないそうです。

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