【お客様事例】スフェロイド作製を容易にするTASCLカルチャーインサート

日本ジェネティクスのアプリケーションノートとは?

  • 当社製品を実際にご使用頂いた、正真正銘、日本国内の研究者様による評価データ
  • 製品をご検討中の方はもちろん、すでにお使いのお客様におかれましても、類似の研究をされている他の研究者の方の事例集としてご活用頂けます

アプリケーション検索専用ページはこちら


アプリケーションノート 2022<13>
製品名:TASCL600ウェル(Cat.No. TASCL600)
    TASCL1000ウェル(Cat.No. TASCL1000)
メーカー名:株式会社シムスバイオ

下記データは、東京医科歯科大学、青山千裕様、池内 真志教授のご厚意により掲載させていただきました。

概要

本アプリケーションノートでは、TASCL付属のカルチャーインサートが、以下の点に効果が認められ、スフェロイド作製を容易にできることをご紹介する。

  1. (TASCL上における)生育環境の均一性向上
  2. 細胞生存率向上

背景

シムスバイオ社製「TASCL」は、均一な大きさの細胞塊を一度に大量培養できる細胞塊三次元培養マイクロプレートである。ウェルに取り付けたカルチャーインサートの中に、メッシュ様のシリコーンゴムをはめ込んだ構造をしており(図1a)、そのメッシュをマイクロウェルとして使用することでメッシュの数に準じた細胞塊を培養する。
このシリコーンゴムは取り外すことができ(図1b)、ディッシュ上などで培養用パーツとしても使用できる(図1c)。一方、既述の通り、製品としては、カルチャーインサート付きのキットになっている。これは、カルチャーインサート底面が多孔質膜となっており(図1d)、キットとして、細胞塊培養に適した、循環性の良い培養環境提供を実現できるようデザインしているためである。
そこで今回、カルチャーインサートの効果を検証するために、インサート使用時とディッシュ上に直置きした場合、それぞれで培養を行い、細胞様態を比較した。2022-13-図1

実験方法

  1. TASCL(24×24 ウェル※本アプリケーションノートではパイロット版を使用)に対し1マイクロウェルあたり1000個になるようにヒトiPS細胞を播種した。
  2. 37℃、5% CO2、培地ReproFF2 もしくはStemFit AK02N(ReproCELL社)で培養し細胞スフェロイドを形成させた。
  3. LIVE/DEAD™ Viability/Cytotoxicity Kit, for mammalian cells(#L3224、Invitrogen)で染色を行い生細胞/死細胞の状態を評価した。
  4. サイズおよび個数は、回収液を蛍光顕微鏡(BZ9000、キーエンス、使用対物レンズ×2)で取得した画像を、ImageJを使用し解析した。

結果

a. TASCL 上のスフェロイドの様子(培養2日目)a. TASCL 上のスフェロイドの様子(培養2日目)

b. 死細胞染色結果(培養2日目)b. 死細胞染色結果(培養2日目)

c. TASCL 上の培養スフェロイドの様子(培養 6 日目)c. TASCL 上の培養スフェロイドの様子(培養 6 日目)

d. インサートを使用して回収したスフェロイドサイズ分布(培養6 日目)d. インサートを使用して回収したスフェロイドサイズ分布(培養6 日目)

図2 カルチャーインサート効果比較結果
カルチャーインサートを使用した場合、細胞活性の均一性が高く(a)、死細胞の割合が少ない(b)。別途6日間培養した結果、死細胞はより顕著に増加した(c)。インサートを使用してできたスフェロイド数を評価した結果、200 ~ 250 μmサイズのスフェロイドが培養できた(d)。

結論
TASCL付属のカルチャーインサートは、TASCL上に存在する数百のスフェロイドに対し、“良い”生育環境を“均一”に提供するために役立つ。
お客様のコメント
細胞塊を作製するための器材は色々とありますが、TASCLでは、細胞塊を作製した後も、同じ器材で長期間の培養が可能ですので、分化誘導や薬剤の長期的評価に使うと便利です。
NGC担当者のコメント
ディッシュ上でもスフェロイドが形成されているように(図2a)、カルチャーインサートを使用しないと使用できないわけではない点ご注意ください。実際、本アプリケーションノート作製にご協力いただいた、池内先生らは、多様な基材上で、3次元培養用“パーツ”としてもご使用されています。

この記事で紹介した製品

質問してみる!

「?」と思ったらすぐ解決。
どんな小さなことでもお気軽に。
ご意見・ご感想もお待ちしています。

WEB会員

記事の更新情報を受け取りたい方はコチラ

WEB会員 登録フォームへ

GeneF@N とは?