宮岡研究室のラボメンバー・研究内容について詳しくお聞きしました
会員特典の「GeneF@Nラボへようこそ!」。GeneF@N会員なら誰でも、ご自身が所属されている研究室のことを日本全国へ思う存分アピールできる会員特典になります。(詳細はこちら)
四回目のGeneF@Nラボは、東京都医学総合研究所 再生医療プロジェクト 宮岡研究室の皆さん。貴重なお話を沢山伺うことができたので、前編(研究内容紹介)と後編(研究施設・イベント)に分けてお届けします!
宮岡研究室取材レポートIndex:
研究室のご紹介
研究内容
再生医療プロジェクト 宮岡研究室では、さまざまな技術を用いてiPS細胞の改変による遺伝性疾患の治療法開発のための研究を行っています。
- 4倍体iPS細胞を用いて細胞の多倍体化を再現する
細胞融合で作製した「4倍体iPS細胞」により心筋や肝細胞などの染色体倍加を再現し、成熟度の高い細胞作製や老化・疾患モデルを通じた治療法開発を目指します。 - 30億塩基あるヒトゲノムDNAの一塩基だけを置換する
CRISPR-Cas9等とデジタルPCR技術を組み合わせ、余計な配列を残さずに1塩基のみを置換したiPS細胞を正確に単離・作製する独自のゲノム編集技術を開発しました。 - ゲノム編集結果をデジタルPCRで検出する
ゲノム編集が意図通りに行われたか、どの程度の効率で導入されたかを高感度かつ高精度に検出・解析するためにデジタルPCRを活用しています。 - 疾患を培養皿上で再現し、その発症機序を探る
ゲノム編集iPS細胞を用いて心筋症や神経変性疾患などを疾患モデルとして培養皿上で再現し、病気の原因や発症メカニズムの解明を進めています。 - 治療に使える正確なゲノム編集条件を探索する
患者由来iPS細胞の病因変異(ウィルソン病など)を修復し移植治療へ応用するため、不要な傷をつけない安全で正確なゲノム編集条件を評価・追求しています。
2026年に創立10周年を迎えた宮岡研究室。プロジェクトリーダーの宮岡先生のお人柄もあり、研究室はとてもフランクな雰囲気で、メンバー全員で協力し合って研究を進めている姿が印象的でした。また、グローバルに活躍できる人材になれるよう英語力の強化に力を入れているのも大きな特徴です。
最新の論文
【2026】
Derivation of human post-mitotic cardiomyocytes from tetraploid iPSCs.
Nakajima I, Shimane M, Holmstrom G, Miyaoka Y.
Commun Biology 2026 Aug 17;9(1):1091.
【2025】
Screening strategy to identify Cas9 variants with higher HDR activity based on diphtheria toxin.
Matsumoto D, Kubota K, Sato Y, Kato-Inui T, Nigorikawa K, Miyaoka Y, Nomura W.
Journal of Biomedical Science. 2025 Dec 3;32(1):102.
High-throughput robotic isolation of human iPS cell clones reveals frequent homozygous induction of identical genetic manipulations by CRISPR-Cas9.
Takahashi G, Maeda M, Shinozaki K, Harada G, Ito S, Miyaoka Y.
Stem Cell Research & Therapy. 2025 Jun 7;16(1):295.
Efficient Single-Cell Cloning of Genome-Edited Cultured Human Cells. (Book Chapter)
Takahashi G, Miyaoka Y.
CRISPR-Cas Methods: Volume 3. 2025 Mar 20: pp141-157.
【2024】
Fusion of histone variants to Cas9 suppresses non-homologous end joining.
Kato-Inui T, Takahashi G, Ono T, Miyaoka Y.
PLoS One. 2024 May 13;19(5):e0288578.
ラボメンバーのご紹介
宮岡 佑一郎先生の略歴

2024- 東京科学大学大学院 医歯学総合研究科 連携准教授(東京医科歯科大学大学院より改組)
2021- お茶の水女子大学大学院 人間文化創成科学研究科 客員准教授
2016- 公益財団法人 東京都医学総合研究所 プロジェクトリーダー
2019-2024 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 連携准教授
2011-2015 Gladstone研究所, UCSF ポスドク (指導教官: Dr. Bruce R. Conklin)
2009-2011 東京大学 分子細胞生物学研究所 助教 (宮島篤研究室)
2009 東京大学大学院 理学系研究科生物化学専攻 博士課程修了 (指導教官: 宮島篤教授)
2006 東京大学大学院 理学系研究科生物化学専攻 修士課程修了 (指導教官: 宮島篤教授)
2004 東京大学 理学部生物化学科 卒業 (指導教官: 山本正幸教授)
※宮岡 佑一郎先生のプロフィールはこちら
メンバー構成
研究員(2名)研究補助員(1名)大学院生(6名)インターン生(3名)の総勢13名のメンバー
※ラボメンバーについてはこちら
宮岡先生インタビュー
今回、快くインタビューに応じてくださったのは、プロジェクトリーダーの宮岡 佑一郎先生です。では、早速お話を伺っていきましょう。
■まずは、母体である「東京都医学総合研究所(都医学研)」の特徴や役割について教えてください。

都医学研では、総合的な医学研究を通じて、都民の医療と福祉の向上に寄与することを目指しています。
最大の特徴は、都民のニーズに的確に応える「プロジェクト研究体制」という仕組みを導入している点です。解決すべき10の課題(17種類のプロジェクト研究)を定め、目標や期間を明確にしたうえで、外部委員による評価を受けながら、効果的に研究を推進しています。
プロジェクト研究体制の詳細はこちら
■大学などの研究室とは異なり、研究の目的が「都民への還元・施策支援」に特化されているのですね。

そうですね。都の保健医療施策を支える研究や、都立病院と連携した臨床研究を推進しています。新しい診断法の開発や早期実用化など、現場の医療にすぐ役立つ成果を出すことにこだわっているのが特徴です。
また、これらを分かりやすく社会に伝えるイベントの実施など広報活動・普及活動にも注力しています。
都医学研は教育機関ではありませんが、「連携大学院制度」を通じた次世代の育成にも貢献しています。研究員が大学院の客員教授等として指導するだけでなく、学生の皆さんを当研究所に受け入れて、特定専門分野の教育・研究指導を行っています。
■日頃行っている研究の面白さやその魅力について教えてください。

ゲノム編集iPS細胞モデルは、臨床現場で得られる遺伝性疾患患者のゲノム配列情報が次々と明らかになっているため、それらの疾患発症への寄与を探る上で最適な実験系となっています。基礎生命科学的な技術を用いながらも、疾患に直結する研究を行うことができる点は魅力だと思っています。
■宮岡研究室ならではのアピールポイントはありますか?

各自の目標を達成できるよう、個別にサポートをします。ラボミーティングでも英語で発表するメンバーには、英語の指導もします。また、私自身が子育てをしながら研究をしてきたので、研究と子育ての両立はしやすい環境だと思います。実際現在の研究員はみんな子どもがいますし、お互いに助け合う雰囲気はありますね。ラボのイベントにも家族で参加してもらっています!
※イベントの様子は後編の(研究施設・イベント紹介編)をご覧ください!
■リーダー室内にはおもちゃもたくさんありましたね(笑)。現在のメンバーはどのような構成なのでしょうか?

研究員2名、研究補助員1名、大学院生6名、インターン生(学部生)3名です。
■今後目指したい研究の世界観やビジョンがありましたらお聞かせください。

iPS細胞とゲノム編集技術による研究で病気が治せるようになればいい、と本気で思っています。病院との連携も進んでいるので、より直接的に疾患の発症機序解明につながる研究が期待できます。
また、私たちが開発した4倍体iPS細胞は老化などで生じる「多倍体細胞」の謎を解明する画期的な実験系になると期待しています。
■最後に、弊社会員サービスGeneF@Nについてご意見がありましたらお聞かせください。

オンラインで購入できるアウトレット品は魅力的ですね!
※現在のアウトレット品一覧はこちら
ラボメンバーの安田さんと篠﨑さんにインタビュー
続いて、ラボメンバーを代表して、安田さんと篠﨑さんのお二人に、1日のラボ生活についてご紹介いただきました。お二人はお台場で開催されたイベント「めざせ!DNAマスター」の講師としても大活躍でした!
※「めざせ!DNAマスター」の取材記事はこちら
博士課程2年生 安田さん

研究室には自転車で30分かけて通っています。
研究テーマはアルツハイマー病のapoE遺伝子について。発症しやすさが人種によって違いがあるか検証しています。

※家を出る前にメールチェック
10:00~11:00 ラボ入室(日によってまちまち。)
10:00 iPS細胞の確認、培地交換、実験計画
12:00 お昼休憩(お弁当を買ってくることが多い)
13:00 実験(共同研究も2つ持っているので共同研究の方と時間を合わせることも)
18:00 夜ご飯(お弁当)
19:00 デスクワーク(データまとめたり、次の日の準備)
21:00 帰宅
■宮岡研究室の魅力はどんなところですか?

個人個人で自分のテーマを主体的に進めていくことを尊重した指導をしてくれる点です。基本的に見守ってくれるスタンスで、修士の頃からそうでした。
あと、論文採択や大学院の合格など、お祝い事はみんなで祝うのもいいところだと思います。
■英語の指導もしていただけるそうですが成果はいかがですか?

進捗報告会などのラボ内のミーティングでも資料は英語で作成したりしています。説明は日本語になってしまうことも多いのですが…全て英語でできるように勉強中です!
「好きなことには本気でのめり込んでしまう」という安田さん。実験にものめり込んでしまい、つい遅い時間の帰宅になってしまうことも多いそうですが、時間をやりくりしてサッカー観戦や将棋、ダイビングなどの趣味にも全力で取り組み、充実した研究ライフを過ごしている様子が伺えました。
博士課程2年生 篠﨑さん

肝細胞(Hepatocyte)の研究をしています。ゲノム編集にノーベル賞が出たこともあり、ゲノム編集と再生医療に興味を持ちました。

10:30 ラボ入室
10:30(入室後すぐ) 細胞の様子を見ながら実験計画を立てる
12:00 お昼休憩(お弁当屋さん、コンビニで買ってくることが多い)
13:00 実験(日によって学会発表の準備も)
16:00 休憩(軽食)
17:00 データ分析等、デスクワーク
21:30 帰宅(夕飯は基本家で取りますが、ラボで夜食を取ることも)
■iPS細胞の研究をしていてどんなところが面白いですか?

iPS細胞は出発点が同じなんですが、分化させていく過程でちゃんとそれぞれの細胞に変化して行くのが面白いです。他の細胞に比べてデリケートなので扱いが大変だし、培地も高級でお金もかかるのですが育てていくと可愛く感じます(笑)
■宮岡研究室ではイベントが多いそうですが、印象に残っているイベントはありますか?

釣りが楽しかったです!私の家はアウトドアをする家庭ではなかったので、とても新鮮でした。
※イベントについては後編で詳しくお伝えします
目をキラキラさせて細胞への愛を語ってくれた篠﨑さん。細胞の状態によっては休日にお世話に来ることもあるとのこと。そんな日は、せっかく外出したので…とインスタで見つけたカフェや本屋に行ったり、実験終了後に友人と遊ぶこともあるようで、やはり上手に時間をやりくりしているのが印象的でした。
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再生医療プロジェクトは、あらゆる組織や臓器に分化することが可能なiPS細胞に、細胞融合技術やゲノム編集技術を組み合わせることで、遺伝性疾患発症のメカニズムの解明、移植治療のための技術の開発を進めるプロジェクトです。
※東京都医学総合研究所 再生医療プロジェクト 宮岡研究室のサイトはこちら