【製品性能評価】モバイル遺伝子検査器(日本板硝子株式会社)を用いた腸管出血性大腸菌O157(ベロ毒素遺伝子VT1・VT2)の検出評価試験

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発売したばかりの新製品の性能評価や、既存製品の最適な条件を追求するための条件検討をすることでお客様に心からご納得頂いた上で商品をお使い頂けるよう、様々な評価試験を行っています。
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テクニカルノート2017<05>
評価製品:モバイル遺伝子検査器(日本板硝子株式会社)
      KAPA 3G Plant  250回用/50 μL反応 Cat.No. KK7251
              500回用/50 μL反応 Cat.No. KK7252

目的

モバイル遺伝子検査器(日本板硝子株式会社)と弊社取扱酵素KAPA 3G Plantを用いて、ベロ毒素遺伝子VT1・VT2の検出方法について検討を行った。

背景

近年、O157等の病原性大腸菌は、その感染力と毒性の強さにより、非常に危険性の高い食中毒の原因として知られています。
しかし、これらの菌は目に見えないため、予防法として現在できることは限られています。
これらの目に見えない微生物を検出する方法として、菌のゲノムDNAを増やしてその増幅が確認できるリアルタイムPCRを用いた遺伝子検査がありますが、これらの検査では、下記の3つの点が大きな問題となっています。
 ① 菌から高純度のゲノムDNA精製が必要であること
 ② 高価で大型のリアルタイムPCR装置等の機器が必要となること
 ③ 菌の培養からDNA精製、リアルタイムPCR検査で約2-3日間を必要とすること
そこで、モバイル遺伝子検査器(日本板硝子)と弊社取扱高性能PCR酵素を組み合わせることにより、これら3つの問題の改善を試みた一例をご紹介します。

評価試験に使用した機器・試薬

● 超高速遺伝子検査機器

モバイル遺伝子検査器
(日本板硝子株式会社)
● 高性能PCR酵素

KAPA3G Plant PCRキット
 ・250 回用/50μL 反応 
  Cat.No. KK7251
 ・500 回用/50μL 反応
  Cat.No. KK7252
● プライマー・プローブセット

VT1・VT2 遺伝子検出用セット
陽性Ctrl 付
(日本遺伝子研究所)
Cat.No.200203

結果

[ 基礎検討 ]
濃度既知のスタンダードDNAを用いて、高速リアルタイムPCR反応と検出感度を検討
※増幅曲線に関しては、Cycle10を1に補正した

VT1の増幅曲線 (Run時間:約23分) VT2の増幅曲線 (Run時間:約23分)

 

VT1の検量線

slope Y-inter R2
– 4 48 1
VT2の検量線

slope Y-inter R2
– 3.6 49.6 0.98182

反応時間約23分で、VT1, VT2共に1×102 copiesまでの感度が得られた

 

10^4 copy/RXNを用いて、マルチプレックス系でのPCR反応を検討
※増幅曲線に関しては、Cycle10を1に補正した。

マルチプレックス系の調製により、VT1, VT2が1度に検出可能となった。
まとめ
モバイル遺伝子検査器(日本板硝子株式会社)を用いることにより、反応時間約23分で、コントロールDNAを用いたテストでVT1, VT2共に1×102 copiesまでの感度が得られた。また、これらの操作は1 tubeで可能であるため、煩雑な操作は必要なかった。また、マルチプレックス系の調製により、VT1, VT2が1度に検出可能となった。
[ 応用検討 ]
現在、更なる短時間化のために培養液ダイレクト測定を開発中であり、今後、これらの技術が、食品の自主検査等に用いられ、O157等の汚染を早期に検出する1つの手段として用いられることが示唆された。

これらの検討結果は、第38回日本食品微生物学会学術総会にて日本板硝子株式会社より発表予定である。(2017年10月5日 A会場 9:40より)

現在開発中のワークフロー

1)対象サンプル*1
菌体培養液(培地:mEC)
2)前処理条件
適量(20~50 μL)の菌体培養液を98℃ 8分間以上で処理後、2.5 μLをテンプレートとしてPCRに使用
3)PCR条件(KAPA3G Plant PCRキット使用)
• 反応組成
  前処理済培養液       2.5 μL
  2x Reaction Buffer          8.5 μL
  Primer Probe Mix*2     4.4 μL
  KAPA 3G enzyme      0.6 μL
  PCR grade water       1.0 μL 
                 17.0 μL
• PCR 装置設定
  低温:60℃
  中温:63℃
  高温:95℃
• PCRサイクル(反応時間 約20分)
  初期変性       95℃   15 sec
  変性         95℃     5 cec
  アニール/伸長    63℃     5 sec

 
 
 
45 cycles
*1 食品由来の菌体培養液を想定
*2 食安監発1120 第3 号相当
 

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