【製品性能評価】FastGene™ RNA Kit 溶解バッファー(RL)に細胞を 溶解させた際の保存安定性試験(3か月程度)

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発売したばかりの新製品の性能評価や、既存製品の最適な条件を追求するための条件検討をすることでお客様に心からご納得頂いた上で商品をお使い頂けるよう、様々な評価試験を行っています。
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テクニカルノート2017<08>
製品名: FastGene™ RNA Basic kit(FG-80006 / FG-80050 / FG-80250)
メーカー名: FastGene™

目的

FastGene™ RNA Kit 溶解バッファー(RL)に細胞を溶解しホモジナイズさせた後、-20℃、-80℃でどの程度保存安定性を保つことができるか収量・RIN値・28S/18Sの値を比較することにより評価しました。
※注意※
凍結前に細胞・組織を完全にホモジナイズすることが重要です。ホモジナイズを十分に行わない場合、収量・RIN値等が著しく落ちる可能性もあります。

背景

RNAは非常に分解しやすいため、キットを用いて抽出する際には、一連の作業を一度に行う必要があります。
可能な限り抽出まで完了し、そのまますぐに解析まで実施することが理想的です。
ただし、実験のスケジュール等によっては、どうしてもこれらの一連の作業をすることが困難なことがあります。
RNAの保存は、抽出前に保存液で浸したり、-80℃やドライアイス等で凍結したり、キットの溶解バッファー等でホモジナイズして凍結する方法が一般的には知られています。
本技術資料では、FastGene™ RNA Kit キットの溶解バッファー(RL)で細胞をホモジナイズ後、3か月程度凍結(-20℃、-80℃)を行い、凍結前の細胞から抽出したRNAと収量・RIN値・28S/18Sを比較することで、その安定性がどれだけ保てるかを評価した一例をご紹介します。(なお、本試料では、リファレンスとしてQ社RNA kitでも同様の作業を行いました) 

実験条件

<評価ポイント>
① 収量
② RIN値
③ 28S/18S

          
 下記の各々のキットを用いてRNAの抽出を行う
*RNAの抽出に用いたキット*
・FastGene™ RNA Basic kit
・Q社RNA kit(リファレンス)

結果

①収量


②RIN値

③28S/18S

まとめ

テクニカル担当者
FastGene™ RNA Basic Kit の溶解バッファー(RL)に細胞を溶解ホモジナイズさせた後、-20℃および-80℃で3か月程度保存しても、収量・RIN値共に、その値は凍結する前のRNAと同程度でした。
ただし、28S/18Sの値に関しては、その値が日を経つごとに下がっていることがわかりました。これは、RNAがわずかながら分解していることが原因であると考えられます。
ただし、収量・RIN・28S/18S値は、Q社RNA kitと比較して同等以上の結果を示しました。
なお、本評価にはFastGene™ RNA Basic Kitを使用しておりますが、FastGene™ RNA Premium Kit の溶解バッファー(RL)も同様の組成であるため、安定性という点では同等の結果を示すものと考えられます。

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