第九十五回 錦織圭モデル

東大名誉教授・塩田邦郎先生コラム「エピジェネティクスの交差点」
塩田 邦郎 先生のご紹介

塩田 邦郎(しおた・くにお)
東京大学名誉教授
1950年鹿児島県生まれ。博士(農学)。79年東京大学大学院農学系研究科獣医学専攻博士課程修了後、武田薬品工業中央研究所、87年より東京大学農学生命科学研究科獣医学専攻生理学および同応用動物科学専攻細胞生化学助教授、98年より同細胞生化学教授。
2016年早稲田大学理工学研究院総合研究所上級研究員。哺乳類の基礎研究に長く携わり、専門分野のエピジェネティクスを中心に、生命科学の基礎研究と産業応用に向けた実学研究に力を注ぐ。2018年より本サイトにて、大学や企業での経験を交え、ジェネティクスとエピジェネティクスに関連した話題のコラムを綴っている。

錦織圭モデル

 木々の若葉が眩しい。屋外での運動にも適した季節だ。定年退職後にテニススクールへ通い始めて、もう10年近くになる。当初は90分のレッスンだけでクタクタに疲れ、その後の2〜3日は筋肉痛と関節痛で動けないという情けない日が続いていた。だが、しばらくして体が慣れてくると、2時間のレッスンでも苦にならず、週3回のスケジュールまでこなせるようになった。

 「テニスは高齢者の健康維持にも優れているらしい」とテニス仲間の間で話題になったのは、2018年頃だった。デンマークと米国の研究チームが、コペンハーゲン在住の成人8,577人を25年間追跡調査した結果、運動習慣のある人とない人では平均寿命に顕著な差が認められたという(注1)。スポーツ別では、寿命延長効果はテニスが最も高く、以下、バドミントン、サッカー、サイクリング、水泳、ジョギングと続いた。週2〜3回のテニス習慣が身についてから、私自身もすこぶる健康になった気がしている。

 ある日、テニスを終えて帰宅すると、「錦織圭(36歳)が引退を表明」というニュースが流れていた。自分でテニスをするようになると、観戦の面白さも一段と増した。錦織選手は2014年の全米オープン準優勝をはじめ、翌年には全豪オープン8強、2016年には全米4強入りを果たし、世界ランキング4位まで上り詰めた。私がテニスを始めた2016年当時は、世界四大大会制覇への期待が最も高まっていた頃だった。

質問してみる!

「?」と思ったらすぐ解決。
どんな小さなことでもお気軽に。
ご意見・ご感想もお待ちしています。

WEB会員 GeneF@N

記事の更新情報を受け取りたい方はコチラ

WEB会員 登録フォームへ

GeneF@N とは?