第九十七回 スイスブランドのお相撲さん

東大名誉教授・塩田邦郎先生コラム「エピジェネティクスの交差点」
塩田 邦郎 先生のご紹介

塩田 邦郎(しおた・くにお)
東京大学名誉教授
1950年鹿児島県生まれ。博士(農学)。79年東京大学大学院農学系研究科獣医学専攻博士課程修了後、武田薬品工業中央研究所、87年より東京大学農学生命科学研究科獣医学専攻生理学および同応用動物科学専攻細胞生化学助教授、98年より同細胞生化学教授。
2016年早稲田大学理工学研究院総合研究所上級研究員。哺乳類の基礎研究に長く携わり、専門分野のエピジェネティクスを中心に、生命科学の基礎研究と産業応用に向けた実学研究に力を注ぐ。2018年より本サイトにて、大学や企業での経験を交え、ジェネティクスとエピジェネティクスに関連した話題のコラムを綴っている。

第九十七回 スイスブランドのお相撲さん

地球を掘り進めれば反対側にたどり着く。ブラジルから東京へオリンピックを引き継ぐセレモニーで、スーパーマリオに扮した安倍晋三(元)総理大臣がスタジアム中央の穴から飛び出した映像は、今も記憶に残っている。

大相撲名古屋場所が始まった。怪我による不振で休場していた2横綱、豊昇龍と大の里を、今年大阪場所で優勝した大関霧島や関脇琴勝峰が迎え撃つ。さらに、怪我で休場していた元大関・安青錦も復帰した。この顔ぶれだけでも、モンゴル(豊昇龍、霧島)、日本(大の里、琴勝峰)、ウクライナ(安青錦)と国際色豊かである。

これまでにも、ハワイ、ブルガリア、アルゼンチン出身の力士が相撲界を賑わせてきた。体力や母国の格闘技に自信を持った若者たちが、「日本の伝統」という枕詞のついた大相撲の世界に飛び込んだのである。相撲部屋に入門し、日本語と日本食の生活に身を置きながら、親方の指導のもとで修業を重ね、実力を磨いてきた猛者たちである。

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