竹内研究室のラボメンバー・研究内容について詳しくお聞きしました
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記念すべき第一回目のGeneF@Nラボは、東京大学 大学院理学系研究科 分子神経生理学 竹内研究室の皆さん。初回から沢山お話を伺うことができたので、前編(研究内容紹介)と後編(研究施設・イベント)に分けてお届けします!
竹内研究室取材レポートIndex:
マウス嗅覚系をモデルとして、分子生物学および神経生理学的手法を用いた知覚、情動そして記憶のメカニズムの解明を目指します。また、科学的根拠に基づいた匂いによる神経疾患の予防ならびに治療の方策を探索します。
研究室のご紹介
研究内容
竹内研究室では、マウス嗅覚系をモデルとして、分子生物学および神経生理学的手法を用いた知覚、情動そして記憶のメカニズムの解明を目指しています。竹内教授、森川助教、香取博士研究員の3名が新しい研究の取り組みをしようと立ち上げたのがきっかけになります。現在は大きく分けて、以下の3つのプロジェクトを進めています。
①「神経回路構築メカニズムの解析」
神経回路がどのように形成されるのか、神経回路の情報処理方法、そしてその後の行動変化を神経回路レベルで明らかにすることを目指しています。分子生物学的手法と電気生理学的手法を用いて環境刺激が脳に与える影響を観察し、それに基づいて神経活動を操作することで、遺伝的要因と環境刺激による神経回路構築メカニズムの解明を進めています。
②「神経活動記録・操作による匂いの知覚メカニズムの解明」
動物は外界からの刺激を知覚し、脳内でその情報を処理することで適切な行動を選択しています。これら一連の過程がどのように生じているのかという問いに、嗅覚刺激を中心として、電気生理学、カルシウムイメージング法、神経回路トレーニング法および光遺伝学手法などを用いることで、末梢から中枢までの一連の情報処理過程を神経活動レベルで解明することを目指しています。
③「嗅覚を用いた革新的な診断・予防・疾患修飾療法の確立」
これまでにリラックス効果、抗うつ効果、乗り物酔いを抑える効果があるさまざまな匂いが存在することが示されておりますが、その詳細なメカニズムはよくわかっていません。マウスを用いて、ヒトでは調べることができない解像度での解析を行い、特定の匂いが神経疾患の予防や治療に有用である可能性を検証しています。
嗅覚の研究内容について、外部の企業から興味を持たれる機会も多く、複数の企業と提携した研究も行っています。現在では基礎研究と応用研究両方で成果をあげられるよう取り組んでいます。
最新の論文
1. Yoshimoto, A., Morikawa, S., Kato-Ishikura, E., Takeuchi, H., Ikegaya, Y. Top-down brain circuits for operant bradycardia. Science, 384:eadl3353, 2024.
2. Nakashima A, Takeuchi H. Roles of odorant receptors during olfactory glomerular map formation. Genesis. 2024 Jun;62(3):e23610. doi: 10.1002/dvg.23610.
3. Nakashima, A., Ihara, N., Shigeta, M., Kiyonari, H., Ikegaya, Y., Takeuchi, H. Structured spike series specify gene expression patterns for olfactory circuit formation. Science, 365:eaaw5030, 2019.
4. Nakashima, M., Ikegaya, Y., Morikawa, S. Genetic labeling of axo-axonic cells in the basolateral amygdala. Neurosci. Res., 178:33-40, 2022.
5. Morikawa, S., Katori, K., Takeuchi, H., Ikegaya, Y. Brain-wide mapping of presynaptic inputs to basolateral amygdala neurons. J. Comp. Neurol., 529:3062-3075, 2021.
ラボメンバーのご紹介
竹内 春樹教授のプロフィール
竹内 春樹教授は、2010年に東京大学 大学院理学系研究科の特任助教に就任し、その後福井大学(医学部)、JSTさきがけなどを経て、現在は、大学院薬学系研究科(特任准教授)と大学院理学系研究科(教授)を歴任。主な研究テーマとしては、発生生物学 、神経科学、スポーツ科学一般など。 ※竹内 春樹教授のプロフィールはこちら
メンバー構成
助教:森川 勝太、博士研究員:香取 和生、博士研究員:包力高、秘書1名、客員研究員2名、修士課程(1年生)6名、学部生(4年生)4名、の総勢17名のメンバー。
※研究員メンバーについてはこちら
研究内容紹介
今回、竹内研究室の代表として快くインタビューに応じてくださったのは、助教の森川 勝太先生です。では、早速お話を伺っていきましょう。
■日頃行っている研究の面白さやその魅力について教えてください。
■活発にディスカッションができるラボはとても魅力的ですね!竹内研究室ならではのアピールポイントはありますか?
■現在、主に取り組んでいる研究はどのような内容になりますか?
■アルツハイマー型認知症の初期症状の一つとして、嗅覚障害があることはニュースで拝見しました。とても興味深い研究内容ですね。
基礎研究の現場では、一つ一つの現象について少しずつ解明を進める状況で、世の中のために直接的に影響することは少ないですが、それが将来的に世の中に貢献できることに繋がれば、それはとてもハッピーなことだと思っています。 我々が培った技術で嗅覚を用いた革新的な診断、予防、疾患修飾療法の確立ができることを目指しています。
ラボメンバー 石山さん
次に、ラボメンバーを代表して、修士課程1年生の石山さんにお話をお聞きしました。
次にラボセミナーがある日を例に石山さんの1日をご紹介します!
9:00:起床
10:00:ラボ入室(ラボセミナーに参加)
12:00:セミナー終了後、みんなで手分けしてラボの掃除
12:30:ランチタイム(生協で買ったお弁当を食べながら、同期と雑談)
13:00:実験開始(ウェスタンブロット、マウスのオペなど)
18:00:行動試験開始(お腹が空いてくる時間帯ですが、もう少し我慢・・・)
19:00:怒涛の実験もひと段落(レトルトカレーを食べて空腹を満たします)
20:00:論文を読みながら、実験結果の整理、実験計画を考える。(少しぼーっとして、あえて息抜きする時間も確保)
終了次第、帰宅
■ラボセミナーでは、主にどのようなことをしているのですか?
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