第八十七回 タイガース染色体
第八十七回 タイガース染色体 プロ野球の阪神タイガースの優勝について記したのは、第65回コラム「38年後を楽しみに」だった。それからわずか2年後のこの夏、タイガースはリーグ優勝を果たした。プロ野球史上最速とかで喜んで良…
2025.09.24 金田 美穂
第八十七回 タイガース染色体 プロ野球の阪神タイガースの優勝について記したのは、第65回コラム「38年後を楽しみに」だった。それからわずか2年後のこの夏、タイガースはリーグ優勝を果たした。プロ野球史上最速とかで喜んで良…
2025.08.27 金田 美穂
第八十六回 交差点に立つ陽炎 駅から家までの短い道のりでも、三つの交差点を抜ける。そのたびに、何人かとすれ違う。距離が延び、繁華街のような人波に入れば、その数はさらに増えるが、顔を合わせたほとんどの人は記憶に残らない。…
2025.07.30 金田 美穂
第八十五回 空気を忖度する イスラエルのネタニヤフ首相が、トランプ米国大統領をノーベル平和賞候補に推薦した。7月7日にホワイトハウスで行われた会談の際、「次々に平和を築き上げている」と持ち上げ、ノルウェー・ノーベル委員…
2025.06.25 金田 美穂
第八十四回 たぬき寝入りの腕時計 午前5時30分3秒で針が止まっている。いつものことだと高を括っていたが、今回は深刻なようだ。この自動巻き腕時計は、当時はまだ珍しかったチタン製で発電機と蓄電池を備えており駆動する。放置…
2025.05.28 金田 美穂
第八十三回 光とドーナツの穴を巡って 青葉が眩しい光の季節だ。毎年この時期から「冷やそうめん」の始まりになるのだが、他にも麦茶に入れるなど氷をたくさん使うから、冷蔵庫付属の製氷器で作る量では足りない。捨てずにとっておい…
2025.04.28 金田 美穂
第八十二回 春眠に守られて ヒヨドリの“ピーー”と甲高い鳴き声に起こされていたのは、冬の寒さが和らぎかけてきた、つい先ごろまでの毎朝の出来ごとだった。メジロのためにミカンの切れ端を桜の枝に刺しておくと、ヒヨドリが自分…
2025.03.26 金田 美穂
第八十一回 エピジェネティクスの古時計 「梅は咲いたか、桜はまだか」と気にしているうちに、ふと気づけば梅はすでに咲いている。時間の流れは子どものころはゆっくりに感じられ、大人になるとあっという間に過ぎ去るように思える。…
2025.02.26 金田 美穂
第八十回 合併劇 “いばらの道” 企業の伝統や方針を語る際に「我が社のDNA」という言い方がある。近頃、日産とホンダの経営統合の協議や、日本製鉄によるUSスチール買収などが新聞紙面を賑わせている。技術革新や市場グローバ…