【10分で染色完了って本当?】タンパク染色試薬Q-Stainを他社製品と比較検証してみました!

面倒なゲルの前処理、後処理が不要で圧倒的な染色スピードがウリのQ-Stain。

「他社にもQuick タイプの試薬があるけれど、どう違うの?」
そんな疑問にお答えするべく、弊社テクニカル担当が他社製品との比較検証をしながらQ-Stainをご紹介いたします!

FastGene™ Q-Stain[タンパク染色試薬]の特長

・ゲルの前固定処理不要。
・脱色は基本不要です。(脱色を実施するとよりバックが低く抑えられます。下記画像参照ください)
・有害な化学物質や酸も含まれていないので、他の染料よりもはるかに安全です。
・水ベースの製品のため、ゲルの収縮やしわが目立ちません。
・染色手順全体は約10分~60分(一般的なCBB染色法は、170~200分)
・容量:1L(使用量目安 25mL/ゲル)
・保存条件:2-8℃で1年間
※本染色液は、ご使用前に完全に室温18℃以上に戻してからご使用ください。(感度に影響します)

Cat.No. 商品名 容量 キャンペーン価格
NE-FG-QS1 Q-Stain 1L ¥32,000¥21,000(税抜)

※2019年3月現在の価格です。

比較1
従来のCBB染色方法との比較

◆ 基本仕様

製品名 前固定 染色 脱色 Total Time 価格 安全性

Q-Stain
(FastGene™)

不要 10min~ 不要 10min~ 21,000円
(1L)

CBB 染色試薬
他社製品A(W 社)

15min 30min以上 120min 165min~ 5,300円
(25g)
酢酸・メタノール

CBB 染色 Kit
他社製品B(B 社)

不要 30min~60min 60min以上 90min~ 16,000円
(1L×2本)
酢酸・メタノール

タンパク電気泳動

タンパク分子量マーカーの希釈系列を作成した。
■ 希釈溶液:Laemmli サンプルバッファー(BioRad)#1610737
■ タンパク分子量マーカー:プレシジョン Plus プロテイン™ 未着色スタンダード(BioRad)#1610363

タンパク分子量マーカーのバンド分布

  1 2 3 4 5 6 7 8
希釈倍率 1/1 1/2 1/4 1/8 1/16 1/32 1/64 1/128
50kDaのタンパク量 750.0ng 375.0ng 187.5ng 93.8ng 46.9ng 23.5ng 11.7ng 5.9ng

◆ 既存のCBB 染色方法 ─ 脱色時間による比較

テクニカル担当者
当然のことながら、既存のCBB染色方法では、脱色は必須です。
脱色前に染色度合を確認することが難しいため、FastGene™ Q-Stain よりも染色時間のコントロールが難しいです。
  脱色前 脱色30min 脱色60min
CBB染色
(他社製品 A
W社)
CBB染色 脱色前 CBB染色 脱色30分後 CBB染色 脱色60分後
  こんなに真っ青!    
CBB Kit 染色
(他社製品 B
B社)
CBBkit染色 脱色前 CBBkit染色 脱色30分後 CBBkit染色 脱色60分後

◆ 染色時間による染色度合の推移

テクニカル担当者
タンパク量が多い場合では10 minでも十分な検出を行うことができました。染色時間10分~30分において徐々に検出限界量の改善がみられましたが、この試験条件では30 min以上染色しても、検出限界量は上がりませんでした。
  10min 30min 60min
Q-Stain 染色度合いの推移-10分後 染色度合いの推移-30分後 染色度合いの推移-60分後

比較2
他社Quickタイプ試薬との比較

◆ 基本仕様

製品名 前洗浄 染色 脱色 Total Time 安全性

Q-Stain
(FastGene™)


・10minで染色可
・洗浄なし
・脱色なし
・薬品不使用

不要 10min 不要 10min~

他社製品C
(W社)

・10minでも染色可
・脱色なしでも見える
・薬品不使用

5min×3
(なくても良い)
10min~
(取説30min~60min)
60min
(なくても見える)
30min~

他社製品D
(B社)

・薬品不使用

5min×3 60min 30min×1 105min

他社製品E
(A社)

・10minで染色可
・洗浄なし
・脱色なしでも見える
・薬品不使用
・低コスト

不要 10min~
(30min~60min)
バックグラウンドが出なくなるまで
(なくても見える)
30min~

◆ Q-Stainと他社試薬の比較

テクニカル担当者
他社製品と比較しても、Q-Stainは全体の作業時間を1時間半~2時間半も短縮できていることが分かります。
また、酢酸・メタノールが含まれていない為、化学的に安定で保管も安全です

 

  Q-Stain
(FastGene™)
他社製品 C
(W社)
他社製品 D
(B社)
他社製品 E
(A社)
染色10min Q-stain10分後 QuickCBBPlus10分後 Bio-Safe10分後 EZ-Stain10分後
染色30min Q-Stain30分後 Quick CBB Plus30分後 Bio-Safe30分後 EZ-Stain30分後
染色60min Q-Stain60分後 Quick CBB Plus60分後 Bio-Safe60分後 EZ-Stain60分後
染色60min,
脱色60min
Q-Stain染色60分、脱色60分
Q-Stainも試しに脱色してみました(本来は不要)
Quick CBB Plus 染色60分、脱色60分 Bio-Safe 染色60分、脱色60分 EZ-Stain 染色60分、脱色60分

 

まとめ

製品名 固定 染色 脱色 Total Time 安全性 検出限界 価格

Q-Stain
(FastGene™)

10min 10min~ 23.44ng
(目視の場合)

¥21,000(1L)

他社製品 C
(W社)
15min 60min 60min 144min
(135min)
375ng ¥11,000(1L)
他社製品 D
(B社)
15min 60min 60min 144min
(135min)
93.75ng ¥18,500(1L)
他社製品 E
(A社)
30min 30min~ 46.88ng ¥10,600(1L)

 

製品名 メリット デメリット

Q-Stain
(FastGene™)

・10minでバンドが検出できる。
・洗浄しなくてもバンドが見える。
・劇物が入っていないので、廃液の処理が簡単。
・価格が他に比べて高い
他社製品A
(W社)
・劇物が入っていないので、廃液の処理が簡単。 ・10minで検出できない。
・前洗浄の工程があるので手間。
・脱色液を随時交換するのが手間。
他社製品B
(B社)
・劇物が入っていないので、廃液の処理が簡単。 ・前洗浄の工程があるので手間。
・脱色液を随時交換するのが手間。
他社製品C
(A社)
・30minでバンドが検出できる。
・劇物が入っていないので、廃液の処理が簡単。
・価格が安い
・バックが濃いので、洗浄した方がきれいに見える。
矢印
従来のCBB染色と比べても同等の検出感度があり、検出確認を短時間で行う方法としてQ-Stainは有用である、ということが分かりました!
テクニカル担当者
改めて、Q-Stainのポイントはこちら!

  • 最短10分でバンドが検出できるのはQ-Stainだけ!
  • メタノール、酢酸を使ってないので安全で、処理が簡単!
  • 前洗浄・脱色の必要がなく、必要なのはQ-Stain 1本だけ!
編集部
Q-Stainでのタンパク染色作業を見学して・・・
今回、FastGeneポリアクリルアミドゲルを用いてのタンパク電気泳動からQ-Stainによる染色後のバンド確認まで、一通りの実験作業を社内のラボで見学したのですが、まず、Q-Stainの特長の一つとしてお伝えしている「メタノール、酢酸を使ってないので安全で、処理が簡単!」が事実であること、そしてそれがいかに実験作業者にとっての負担を軽減するものであるかを強く実感しました。危険な成分が入っていないと言うだけで、ここまでストレスフリーになるものなんですね。

そして何よりも一番感動したのは、Q-Stainで染色したゲルは、どの染色液で染色したゲルよりも一番早くバンドが検出できたという事!
染色時間に2時間強もかかる試薬があると思うと、それが最短10分に短縮できる事の喜びと言ったら、日々同様の実験をされている研究者の皆さまにとってのインパクトの大きさは計り知れないものがありますよね。

ぜひ、この感動を皆さんにも味わっていただき、神経を使う実験作業を少しでもスピーディ&ストレスフリーなものにして頂きたいという想いでいっぱいです。

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