【製品性能評価】Midori Green Advance使用時におけるゲルの厚さ検討

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テクニカルノート2021<14>
評価製品:Midori Green Advance(FastGene, Cat.No.NE-MG04)

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試薬および機器

実験① 先染め法

方法 TAEバッファー100 mLあたりにアガロース2 g、MGAを4 μL添加し、厚さ3 mm、5 mm、10 mmのゲルを作製した。
このゲルを用いて、DNAラダーを0.5 μg, 0.25 μg, 0.125 μg/wellの濃度で電気泳動を行い、撮影をした。
撮影条件 F=8, Exposure 2.0 sec, ISO=200
結果

3 mmでは十分な輝度が得られない。
一方10 mmではゲル由来のバックグラウンドが強く観察される。

結論

先染め法においては、ゲルの厚さは5 mmが最適である。

実験② 後染め法

方法 TAE バッファー100 mLあたりにアガロース2 gを 添加し、厚さ3 mm、5 mm、10 mmのゲルを作製した。
このゲルを用いて、DNAラダーを0.5 μg, 0.25 μg, 0.125 μg/wellの濃度で電気泳動を行った。
MGAをTAE バッファー100 mLあたり10 μLを添加した溶液で、5分、15分、30 分ゲル染色し、撮影を行った。
撮影条件 F=8, Exposure 0.8 sec, ISO=200
結果
ゲルの厚さ 染色時間
5分 15分 30分
3 mm
5 mm
10 mm
結論

後染め法においては、ゲルの厚さは3 mmから5 mmが適している。

(参考)後染め法:ゲルの厚さ3 mmおよび5 mm使用感について

ゲルの厚さ メリット デメリット
3 mm
  • 染色のバックグラウンドが抑えられ、S/N比が高くきれいな泳動像が得られる
  • ゲルが薄いため壊れやすく、特にゲルの濃度が低い場合は、慎重に取り扱う必要がある
  • プライできるサンプル量が少ない
5 mm
  • 比較的厚みがあるため、ゲルが壊れにくく、取り扱いがしやすい
  • 染色のバックグラウンドが若干高い

 

まとめ

ゲルの厚さが取得できる画像に大きく影響を与えることが分かった。
MGAを用いて染色を行う際、厚さを意識してゲル作製することが、鮮明な泳動像を得るためのポイントである。
先染めの場合:5 mm程度にする 後染めの場合:5 mm以下にするのが望ましい。

 

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