ibidi 製品のここがすごい! 【第2弾】~ibidi μ-slide 編~

ibidi製品のここがすごい-アイキャッチ2

ibidi(イビディ)社は「顕微鏡で細胞を観察する容器」に特化して製品を開発しているドイツの会社です。
本シリーズでは、ibidi 社の製品の「ここがすごい!」を紹介させていただきます。
第2弾の今回は、ibidi 社の主力製品のひとつ、μ-Slide 2well / 4well / 8well(チャンバースライド)に注目します。
細胞観察の際に細胞の接着性でお悩みの方、より鮮明な染色画像を撮影したい方、必見です!

ここがすごい!ibidi μ-Slide 3つのポイント

  1. 最強の底面素材
    カバーガラスと同様の光学特性、厚さを持つibidi ポリマー
  2. 優れた細胞接着性
    おすすめTC処理は ibiTreat(イビトリート)
  3. 安定構造
    機械的、化学的に安定の構造

最強素材“ibidi ポリマー”

ibidi μ-Slide の底面素材には厚さ180 μm(+10/-5 μm)の ibidi ポリマーが採用されています。

一般的な細胞培養用のプラスチック容器の底面は約1 mmの厚さですが、こ れはカバーガラスの5倍以上の厚さのためイメージングには理想的ではありません。
それに対して ibidi ポリマーは、ポリマー製にも関わらずカバーガラスと同等の光学特性(自家蛍光)・厚さ・屈折率を持ち、カバーガラスでは難しい細胞接着性(親水性)とガス透過性を備えたまさに顕微鏡での細胞観察に最適な素材です。

ただし、細胞に特殊なコーティングが必要な場合や、TIRFや超解像度顕微鏡(STED、STORM)などの特定の顕微鏡技術を使用している場合は、ガラス底面(ibidi Glass Coverslip)を使用いただくことをお勧めいたします。

図-1ibidi ポリマー

異なる底面材料による顕微鏡観察パラメータの違い

マテリアル カバースリップの厚み 屈折率nD
(589 nm)
自家蛍光 Abbe Number
ibidi ポリマー カバースリップ
incl. ibiTreat, Uncoated and Bioinert
#1.5
(180 μm +10/–5 μm)
1.52 Low 56
ibidi ガラスカバースリップ
D 263 M
#1.5H
(170 μm +/–5 μm)
1.52 Low 55
一般的なガラスカバースリップ #1.5
(170 μm +20/–10 μm)
1.52 Low 55
一般的な細胞培養用プラスチック容器(ポリスチレン製) Various
(通常 1 mm)
1.56 × High 53

優れた細胞接着性を発揮するibiTreat(TC 処理)

ibiTreatとは?

ibidi プラスチックの表面を親水化処理したもので、標準的な細胞培養処理済みのプラスチック製品に相当します。
この表面では、他にコーティングの必要なく、ほとんどの接着細胞が培養可能です。
通常のスライドグラスではコーティングを用いても接着し辛い細胞が、ibiTreat の製品を用いることにより、接着し、免疫染色可能になった一例もあります。

ibiTreat はさまざまな細胞株と初代細胞でテストされており、ibidi 製品の使用を引用している2000以上のピアレビューされた文献の90%以上で採用されています。
ほとんどの細胞は、追加のコーティングを必要とせずに ibiTreat でよく成長します。

図-2 NB1RGB C2 ヒト皮膚線維芽細胞由来iPS 細胞

AP
放射線照射によるiPS細胞等のDNA損傷応答の免疫蛍光観察 (核内における修復タンパク質のフォーカス形成の観察)

アプリ-1 放射線照射によるiPS細胞等のDNA損傷応答の免疫蛍光観察

機械的・化学的に安定の構造

μ-Slide 2 / 4 / 8 well は、No.1.5 カバースリップ(ibidi Standard Bottom)にしっかりと取り付けられた(取り外し不可能な)生体適合性のプラスチックチャンバーで構成されています。
接着剤を使用しない高品質生産により、培地または細胞の漏出を防ぎます。
またμ- Slide はすべての固定処理に対して化学的な耐性があります。
(例:メタノール、アセトン、パラホルムアルデヒド、酸など) 図-3-1 機械的・化学的に安定の構造(修正済)

図-3-2 機械的・化学的に安定の構造(修正済) 実験模様

μ-Slide 製品ラインナップ

特長

• 免疫蛍光アッセイや高解像度顕微鏡観察に最適
• オープン型オールインワンチャンバースライド
• 培養からイメージングまでを同一容器で行えるため実験ステップや試薬量を削減できます

アプリケーション

• 細胞培養および顕微鏡観察
• トランスフェクション
• ライブセルイメージング

製品名 製品  製品詳細ページ
μ -Slide 2well 2well こちら
μ -Slide 4 well 4well こちら
μ -Slide 8well 8well こちら
μ -Slide 8 well Grid-500
(グリッド付)
8wellグリッド付 こちら

※ガラスボトム製品もご用意しております。詳しくはお問合せください。

お客様のご使用事例

μ-slide 8well, ibiTreatを用いた免疫蛍光染色のサンプル保存方法の一例
細胞はウイルスに感染すると、インターフェロン(IFN)という抗ウイルス性サイトカインを産生して免疫応答を始動する。
本アッセイでは、HeLa 細胞にNewcastle disease virus(NDV)を感染させ、NDVヌクレオキャプシドタンパク質(NP) とI 型IFN(IFN-β)mRNA の発現を免疫染色法とRNA-FISH 法によってそれぞれ検出した。
また、ibidi μ-Slide 8well コーティング ibiTreatを用いて、蛍光検出したサンプルを保存できるかどうか確認するため、お よそ半年間室温で遮光保存し、再度観察を行い、RNA-FISHと免疫蛍光染色したサンプルの保存状態を確認した。

仕様事例 AP

Newcastle disease virus(NDV)感染細胞を用いたRNA-FISHと免疫染色実験

アプリ-2 Newcastle disease virus

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