【お客様事例】マウス肝臓からの「RNA抽出」および「逆転写反応」に用いたキットの性能確認

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アプリケーションノート 2019<01>
製品カテゴリ:核酸精製・クリーンアップ、逆転写酵素、qPCR試薬

製品/メーカー名:
● RNA抽出
High Pure RNA Tissue Kit(50rx)(12033674001)/ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
FastGene™ RNA Basic Kit(FG-80250)/日本ジェネティクス株式会社

● 逆転写反応
Transcriptor ユニバーサルcDNAマスター(05893151001)/ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
FastGene™ Scriptase Ⅱ Master Mix(5X)(NE-LS64)/日本ジェネティクス株式会社
FastGene™ Scriptase Basic cDNA Synthesis(NE-LS62)/日本ジェネティクス株式会社

● qPCR
FastStart Essential DNA Green Master Mix (06402712001)/ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社

下記データは、国内のお客様からのご厚意により掲載させていただきました。

 実験概要 

既存のキット(Roche製品)と同様にFastGene™の製品(ScriptaseⅡ,Basic)がほぼ同等に使用できるかを検討した。

サンプル:マウスの肝臓をRNAlater(QIAGEN)(76104)に沈めて凍結保存した。

■ RNA抽出キットと逆転写反応キットの組み合わせ表

    逆転写反応
    Transcriptor Universal
cDNA Master
FastGene™
ScriptaseⅡ Master Mix
FastGene™
Scriptase Basic
R
N
A

High Pure RNA Tissue Kit 1 sample 1 sample 1 sample
FastGene™
RNA Basic Kit + DNaseⅠ
1 sample 1 sample 1 sample

qPCRでは、1 sampleごとに3反復を行う。

 実験条件 
 

■ RNA抽出
High Pure RNA Tissue Kit:High Pure RNA Tissue Kit の取扱説明書の推奨プロトコルに準拠した。

FastGene™ RNA Basic Kit + DNase I set:
FastGene™ RNA Basic Kit の取扱説明書(P12 ~)に記載がある『オプション:オンカラムDNaseⅠ 処理(※)』を通常の操作に加えた。
また、Elution Bufferを100 μLとした(通常は50 μL)。

(※)オンカラムDNaseⅠ 処理を加えた洗浄手順(FastGene™ RNA Basic Kit 取扱説明書より抜粋)

S1
メンブレン洗浄1
(タンパク除去と
反応条件の調製)
300μL バッファー RW1
≥ 10,000 x g(室温:20 ~ 25℃) 30 s
カラムを新しいコレクションチューブ(2.0mL)に移す
S2
DNaseⅠ反応
(DNAの分解)
70 μL DNaseⅠ反応溶液(注:メンブレンの中央に添加)
インキュベート(室温:20 ~ 25℃) 10 min
S3
メンブレン洗浄2
(分解DNAと
酵素の除去)
300 μL バッファー RW1
≥ 10,000 x g(室温:20 ~ 25℃) 30 s
ろ液廃棄後 カラムを元のコレクションチューブ(2.0 mL)に戻す
S4
メンブレン洗浄3
(塩類の除去)
700 μL of バッファー RW2
≥ 10,000 x g(室温:20 ~ 25℃) 30 s
カラムを新しいコレクションチューブ(2.0 mL)に移す

■ RNA測定機器
吸光度測定機器:Nano Drop™

■ 逆転写反応
すべてのキットでそれぞれの取扱説明書の推奨プロトコルに準拠した。

■ qPCR プログラム

qPCR装置:LightCycler® 96 System
Preincubation :95℃ 600 s
 ↓
95℃ 15 s
 ↓
60℃ 60 s
45 cycles
 ↓
Melting :95℃ 1 s → 57℃ 15 s → 98℃ 1 s
 ↓
Cooling 40℃ 30s
 結果 


● RNA収量と純度の結果(吸光度測定 – ナノドロップ)

  Sample
No.
A230 A260 A280 収量
(ng/μL)
収量平均値
High Pure RNA Tissue Kit 1 4.93 10.10 4.82 403.89 472.46
2 5.03 9.63 4.61 385.32
3 7.87 15.70 7.47 628.16
FastGene™
RNA Basic Kit + DNaseⅠ
1 5.11 10.52 5.04 420.91 477.36
2 4.89 9.97 4.77 398.71
3 8.44 15.31 7.26 612.46
試薬間での大きな違いは見受けられず、ほぼ同等の結果が得られました。

 

● qPCR結果(Cq 値の確認)

RNA 抽出 逆転写反応 Cq 値 mean stdev
High Pure RNA Tissue Kit Transcriptor
ユニバーサル cDNAマスター
24.43 23.89 0.67
23.14
24.09
FastGene™
Scriptase Ⅱ Master Mix (5X)
22.82 23.63 0.70
24.04
24.03
FastGene™
Scriptase Basic cDNA Synthesis
24.02 23.87 0.46
23.36
24.24
FastGene™ RNA Basic Kit Transcriptor
ユニバーサル cDNAマスター
24.83 23.99 0.91
23.03
24.12
FastGene™
Scriptase Ⅱ Master Mix (5X)
23.29 23.83 0.47
24.09
24.11
FastGene™
Scriptase Basic cDNA Synthesis
24.00 23.84 0.47
23.31
24.20

各サンプル(cDNA)に対し、PCRを3反復で行った

試薬の組み合わせによるそれぞれのCq 値
試薬間での大きな違いは見受けられず、ほぼ同等の結果が得られました。

お客様のコメント
これまで使用していた製品と比較して遜色ないデータを得ることができ、価格も安価で非常に使いやすいものでした。これからも愛用したいです。

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