【お客様事例】モバイルリアルタイムPCR装置 PicoGene®PCR1100 を用いた黒毛和牛におけるNT5E遺伝子のSNP解析

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アプリケーションノート 2022<16>
製品名:モバイルリアルタイムPCR装置 PicoGene®PCR1100(Cat.No. PCR1100)
メーカー名:日本板硝子株式会社

下記のデータは、山形県置賜総合支庁 産業経済部 家畜保健衛生課 小松 智彦 様のご厚意により掲載させていただきました。

背景

NT5E遺伝子の構造とSNP

NT5E遺伝子の構造とSNP

牛肉のうま味成分のひとつであるイノシン酸の含量は、と畜後が最も多く、熟成とともに酵素(NT5E)により徐々に分解される。NT5E遺伝子の一塩基多型(SNP)は、ウシの死後におけるイノシン酸の含量に強く影響することが示唆されており、NT5E遺伝子のQ alleleは、酵素活性が弱い。そのため、牛肉の熟成過程におけるイノシン酸の分解が抑制されることから、イノシン酸が多く牛肉に残ると考えられ、牛肉のうま味成分の改良への活用が期待されている。
ジェノタイピングは、一般的にPCRでDNAを増幅し、その反応生成物を制限酵素で切断するPCR-RFLP 法を使用して実施される。しかし、実験室で本方法を行うためには複雑な手順が必要となり、時間がかかる。そのため、 現場での迅速なジェノタイピングを目的として、モバイルリアルタイム PCR 装置を使用して系の確立を目指した。

評価方法

  • テンプレートDNA
    NT5E 遺伝子型(QQ、Qq、qq)を含む黒毛和種去勢牛 3 頭からそれぞれ採取した血液サンプルから、DNeasy® Blood & Tissue Kit(QIAGEN / Cat.No. 69504)を使用して抽出したゲノム DNAをテンプレートDNAとして用いた。
  • qPCR試薬
    KAPA3G Plant PCR Kit(KAPA BIOSYSTEMS / Cat.No. KK7251)
  • 反応組成
    Component Concentration Volume(μL) Final concentration
    KAPA3G Plant DNA Polymerase 2.5 U/μL 1 2.5 U/reaction
    KAPA Plant PCR Buffer 2x 10 1x
    Forward primer 10 μM 1.5 0.75 μM
    Reverse primer 10 μM 1.5 0.75 μM
    ROX probe 10 μM 0.5 0.25 μM
    FAM probe 10 μM 0.5 0.25 μM
    PCR-grade water 3
    Template DNA 1 ng/μL 2 2 ng/reaction
    Total 20.0 – 
  • プライマー・プローブ
    ターゲット:NT5E遺伝子(rs42508588 SNP)
    Forward primer : 5′-GTC GTG TGC CCA GTT ATG AG-3′
    Reverse primer : 5′-GGA AGC TTG GGA GGA TCA C-3′
    The LNA probe specific for the A allele(Q allele) : 5′-(ROX)-TTG TAC TCC TTA TCC-(BHQ)-3′
    The LNA probe specific for the T allele(q allele) : 5′-(FAM)-TTG TAC ACC TTA TCC-(BHQ)-3′
  • 反応プログラム(ラン時間:13分36秒)
    Step Temperature(℃) Time(sec) Cycle
    Denature 95 3.5 45
    Annealing/Extension 60 10

結 果

Green : ROX(Q allele), Blue : FAM(q allele)
Genotypes   QQ Qq qq
Ct ROX 29.7 ± 2.3 31.7 ± 0.7
FAM 33.2 ± 1.0 31.8 ± 2.9

3つのNT5E遺伝子型(QQ、Qq、qq)を正しく識別することができた。

まとめ
PicoGene® PCR1100を使用することで、短いラン時間でSNP解析を行うことができた。
お客様のコメント
高級な黒毛和牛肉は霜降りだけではなく赤身部分のうま味も求められます。牛の生産農場や流通現場など、さまざまな場面でモバイルリアルタイムPCR装置を活用することで、うま味の改良や、適切な熟成管理、ブランド牛肉の高付加価値化など、様々な発展方向が期待できます。黒毛和牛以外の品種への応用も可能です。

PicoGene® PCR1100の製品紹介

PicoGene® PCR1100

PicoGene® PCR1100(日本板硝子株式会社 / Cat.No. PCR1100)

測定時間は最短10分
高速に反応する試薬と組み合わせることで、最短10分で測定できます。
フィールドワークのように研究室から遠かったり、調査時間が限られていたりするとき、時間をかけてサンプルを研究室に輸送して分析結果を待つ手間を省くことが可能です。
このスピードはフィールドワークにおいて強力な味方となります。

片手で持ち運びできる本体重量560 g
どんなに簡単・迅速なPCR装置でも、重くては持ち運ぶのに一苦労です。
PicoGene® PCR1100の重量はわずか560 g。片手で持ち運びできる携帯性・機動性を兼ね備えています。リュックやカバンの中に入れることもできるコンパクトさです。

操作はたったの3ステップ
装置の性能が優れていても、操作ステップが煩雑では使える人が限られてしまいます。
PicoGene® PCR1100は「測定チップにサンプルを注入」 、「装置に測定チップをセット」 、「STARTボタンを押す」 の3ステップだけ。企業などで、初めてリアルタイムPCRをする初心者にも優しい装置です。

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