日本ジェネティクスのアプリケーションノートとは?
- 当社製品を実際にご使用頂いた、正真正銘、日本国内の研究者様による評価データ
- 製品をご検討中の方はもちろん、すでにお使いのお客様におかれましても、類似の研究をされている他の研究者の方の事例集としてご活用頂けます
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メーカー名:日本ジェネティクス株式会社
※MPCポリマー:生体膜構成成分であるリン脂質と同じ構造(ホスホリルコリン基)を有するポリマー
製品名:フロア型超遠心機 Optima Xシリーズ
メーカー名:ベックマン・コールター株式会社
下記のデータは、公益財団法人がん研究会 がん研究所 蛋白創製研究部 部長 芝清隆様、
および日油株式会社様のご厚意により掲載させていただきました。
はじめに
エクソソームは細胞から放出される脂質二重膜の小胞で、細胞と細胞はこのエクソソームを介し、核酸やタンパク質などの物質交換を行い、細胞間でコミュニケーションを取っていることが分かってきています。
このため、エクソソームに含まれるmiRNAやタンパク質などを解析することで、新たな診断マーカーとして、がんなどの各種疾患の診断や治療への応用が期待され、注目が集まっております。
反面、エクソソームは非常に微小で、また、容器やチップなどへ吸着しやすいためロスを生じやすく、単離・精製が困難となっています。
このため、より安定的で効果的な単離・精製方法の確立が求められています。
本アプリケーションノートでは、MPCポリマー含有コーティング試薬FastGene™ NovyCoatを用いたコーティングによりエクソソームの吸着を抑制し、エクソソームの回収率を向上した事例についてご紹介します。
<エクソソームを介した細胞間コミュニケーション>
方法および結果
1. MPCポリマー(FastGene™ NovyCoat)コーティングによるエクソソーム吸着抑制効果の確認
方法
基材(ポリスチレン)をMPCポリマーにディップしてコーティング
↓
室温で乾燥
↓
がん細胞株(ヒト)の培養上清からエクソソームを精製
↓
基材をエクソソーム溶液に接触
↓
PBSで洗浄
↓
AFM(原子間力顕微鏡)で観察
結果
2. MPCポリマー(FastGene™ NovyCoat)コーティングによるエクソソームの回収率向上の効果検証
方法
MPCポリマーを超遠心分離用遠沈管にコーティング
↓
室温で乾燥
↓
がん細胞株(ヒト)の培養上清からエクソソームの粗精製液を調製
↓
超遠心機Optima X(ベックマン・コールター社製)で超遠心分離
161,000xg(30,700rpm) 120分間
↓
NanoSight(Malvern Panalytical社製)で回収粒子数を測定
結果
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『大切なサンプルがいつのまにかどこかにいってしまった』といった苦い経験をお持ちの方も多いと思いますが、用いるチューブの表面の性質を変えることで、この問題を解決できるようです。