「めざせ!DNAマスター 2023」イベントレポート

4年振り待望の開催!当日の様子についてお伝えします!

梅雨明け前にもかかわらず、猛暑となった2023年7月8日。
東京都医学総合研究所内の講堂にて、都内公立小学校の生徒さん向けの講座「めざせ!DNAマスター」チャレンジスクールが開催されました。コロナ禍を挟み、実に4年振りの開催となった今回、この日を心待ちにしながら当日を迎えました。当日の様子についてレポートします。
Indexはこちら:座学編実験編まとめ

本イベントで使用した機器・試薬はこちら


「めざせ!DNAマスター」チャレンジスクールとは?
チャレンジスクール2023
宮岡 佑一郎先生

講座を主催されたのは、前回に引き続き、東京都医学総合研究所 再生医療プロジェクト プロジェクトリーダーの宮岡 佑一郎先生
弊社は、当日使用する実験機器を提供させていただいているご縁で、今回も取材させていただきました。今年は、小学1年生から6年生までの生徒さん約30名が参加。前回に比べて保護者の見学人数も増え、内容に対する関心の高さがうかがえました。

前回のチャレンジスクールの様子はこちら

「DNAとは?」まずは座学からスタート!

テーブルに置かれた実験用グローブを、早速興味津々で見たり触ったりしている子どもたちの姿に思わずほっこりとしながら、前回と同様、座学からスタート!(※前回の座学内容の詳細はこちらから
まずは、宮岡先生から「”DNA”という言葉を聞いたことがある人は教えてください!」という質問が投げかけられます。まだ緊張した空気感が漂う中で、数名の子どもたちが挙手をして『本で読んだ』『病院で聞いた』『学校で知った』という回答が!

DNAについて01
DNAについて02

冒頭、プロ野球 横浜DeNAベイスターズと、子どもたちが大好きなポケモンを例に説明し、子どもたちの関心はさらに高まりました!その後も、「お父さん、お母さんに子どもは似ている?」をテーマに、遺伝というキーワードからDNAの仕組みについて学習がスタートしました。 

DNA模型で二重らせん構造について学ぶ

DNA模型

次は、各グループごとにDNA模型の観察タイムに。模型をもとに、「二重らせん構造」について学びます。そして、ATGCの並び方や長さは人によって異なる点など、DNAの仕組みについて解説してくれました。
そして、「DNAの長さを調べる方法」について話題は展開し、「アガロースゲル電気泳動」の説明に。寒天の主成分であるアガロースについてや、電気泳動の様子を”鳴子くぐり”に例えるなど、子どもたちにもイメージが沸きやすいように工夫されていた点が印象的でした。

そして、ここで驚きの特別ゲストが登場!

スペシャルゲスト登場

今回のメインテーマである「アガロースゲル電気泳動」の実験方法についての解説がスタート!と思ったら、なんとここで本物のお巡りさんが登場!お巡りさんから、宝石店に泥棒が入ったという緊急事態の連絡が!

お巡りさんから子どもたちに対して、「宝石店に残されていた髪の毛からDNAを分析し、防犯カメラに映っていたAさんとBさん、どちらが犯人なのかを割り出してほしい」というミッションが与えられました。子どもたちは、『東京都医学総合研究所こども特別科学捜査班』のメンバーとして、本捜査に参加することに!(かっこいい!)

特別ゲストのお巡りさんは、なんと本物の警察官!素晴らしい迫真の演技に、お巡りさんというよりも本物の役者さんなのでは?!と感じる場面もありました。当然、子どもたちのテンションも上がり、泥棒した犯人を捕まえて、お巡りさんの手助けをしたい!とやる気満々になります。

こども特別科学捜査班、実験スタート!

アガロースゲル電気泳動の説明01
DNAマーカー

子どもたちへのミッションは、容疑者2名のDNAと犯人の髪の毛のDNAを電気泳動で分析、イルミネーターでバンドを観察して、犯人を特定するというもの。
DNAサンプルをゲルに入れる方法や、基準となるDNAマーカーの説明を受けて、いざ実験です!さあ!やるぞ!

実験前の様子
サンプル保管

犯人特定のための重要サンプルとなるため、立入禁止のテープが貼られ、厳重?な管理体制が敷かれています。

実験① 電気泳動

子どもたちはDNAサンプルを受け取ったら、アガロースゲルにアプライし、電気泳動をスタート!もちろん、研究員の方々にご協力いただき、丁寧な説明とサポートの下、始まりました。

電気泳動の実験01
電気泳動の実験02

サンプルのアプライは子どもたちが実際に手を動かします。どこのテーブルからも「自分がやりたい!」という積極的な声があがっていました。

電気泳動の実験03
電気泳動の実験04

初めてのピペット操作、ドキドキしますね。興味津々にアプライする様子を前のめりに覗き込んでいる姿を見て、こちらも嬉しくなりました!

実験② 泳動結果の観察

泳動結果の観察01

電気泳動終了後は、ドキドキの結果確認タイム。
弊社製品である安全なBlue/Green LED イルミネーターを使用して、バンドを観察します!

泳動結果の観察02
泳動結果の観察03
泳動結果の観察03
泳動結果の観察04

イルミネーターの前には長い列ができ、「見えた!」「あったよ!」と次々に報告が飛び交っていました。また、泳動結果を写真で撮影している子どもの姿も。編集担当者たちも、列に並んで結果の確認をさせてもらいました。
Blue/Green LED イルミネーターは、UVと異なり、人体とサンプルへの悪影響がほぼ無いからこそ、子どもたちも安心して使えます!

考察タイム(犯人特定)

考察タイム01
考察タイム02

実験終了後、いよいよ考察タイムです。
無事に犯人を特定できたのでしょうか?子どもたちが考えた実験結果の発表時間です。

何人もの子どもたちが次々に手を挙げて(最初の緊張がウソのようにみんな手を挙げていました!)、犯人の特定とその理由まできちんと答えていました。さすが!
そして、その姿に未来の研究者が見えました。答えだけではなく、その理由を考えて説明することはとても大事ですよね。

個人的には、宮岡先生が「ちょっと難しいけど、『コントロール(対照)実験』が大事なのです」と語られていたことが、心に刺さりました。昔、学生実習で対照実験を忘れ、無意味な結果になってしまい、途方に暮れた苦い思い出が蘇りました…。

DNAマスターを目指そう01

意見をまとめ、子どもたち全員が声を揃えて、お巡りさんに「犯人は、この人!!」と真犯人を伝えることができました。こども特別科学捜査班、全員で犯人確保に協力することができました!ミッションをクリアし、お巡りさんも大喜びです!
みんなが協力して行った実験によって、街の安全を守ることに貢献できました。(拍手!)

DNAマスターになれば、捜査もできる!?

DNAマスターを目指そう02

今回のような実験は、実際の犯人捜査などにも応用されているとのこと。(某科捜研のドラマがイメージに近いでしょうか…)この実験を通じて、子どもたちは研究や実験が身近なところで活躍していることを感じることができたかもしれません。

この活動を通じて、「研究者」という職業がなんとなく心に留まり、子どもたちのなりたい職業の1位に「研究者」が来る日も近いのでは?来てほしいなあ…と、感じた一日でした。

まとめ

日本ジェネティクスより

 弊社担当者

前回に続いて、本イベントにお邪魔させて頂きまして、誠にありがとうございました!
今回も、弊社の実験機器・試薬を提供および協力させていただけたことを大変嬉しく思います。
数年間、子供たちはコロナ禍の影響で、学校生活や遊びを思う存分エンジョイできない環境にあったと思いますが、今回のイベントでは子どもたちの好奇心に満ち溢れ、キラキラとした輝いた目を見ることができて、本来の日常が戻ってきて本当に良かったなぁと感じました。これからも、子どもたちにとってそんな環境が少しでも増えることを願うばかりです。

宮岡先生をはじめ、ラボメンバーの皆さん、そして取材を快諾して下さった小学校の関係者の皆様には心より感謝申し上げます。
今後、一人でも多くの子どもたちが、科学や物理といった研究分野に興味を抱いてくれますように!

微笑ましい一コマを紹介
弊社営業マン

前回に続いて本イベントに参加した弊社営業マン。
電気泳動中の待ち時間タイムに、数名の子どもたちからちょっかいを出され、すっかり懐かれていました!

今回使用した機材・試薬

デモ・サンプルのご依頼はお気軽に各製品のお問い合わせフォームよりご連絡ください。

Blue/Green LED イルミネーター単品

Blue/Green LED イルミネーター単品

DNAラダー

DNAラダー

ミドリグリーンダイレクト

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