都内某公立小学校チャレンジスクール「めざせ!DNAマスター」

ついに関東地方も梅雨が明けました。ここ最近のうだるような暑さからすれば、あの頃はまだまだ涼しく過ごしやすかったなぁ・・・(遠い目)

そんな 2019年6月22日(土)、東京都医学総合研究所内の講堂にて、都内公立小学校の生徒さん向けの講座(“チャレンジスクール”)、「めざせ!DNAマスター」が開催されました。
弊社からも営業担当1名と編集担当1名がお邪魔して取材をして参りましたので、当日の様子をたくさんの写真とともにお伝えいたします!

小学生向け講座「めざせ!DNAマスター」

この講座を主催されたのは、東京都医学総合研究所 再生医療プロジェクト プロジェクトリーダーの宮岡佑一郎先生

編集担当Nは、当日初めて宮岡先生にお目にかかったのですが、お姿を見て、正直驚きました。プロジェクトリーダーの先生ですから、さぞかし厳しそうな先生が白衣を着て現れるものと勝手に想像していたからです。実際にお会いした宮岡先生は、黄色のTシャツに短パンという、沖縄県の観光客(いや、現地の方)のような大変ラフな格好でいらっしゃいました。とても気さくで優しい先生でした。


講座に参加されたのは、小学1年生から6年生までの生徒さんたち約20名。保護者の方が同伴されている子もたくさんおり、会場全体が終始にぎやかで活発な様子で、実際にピペットをもって実験をする時間もありながら、約2時間の講座はあっという間に進行していきました。


今回、この講座には20名の枠を大幅に超える人数の応募があったそうです。複数催された講座の中でもダントツの高倍率で大変人気の講座だったんですね。それもそのはず、募集時に掲載されていた今回の講座の概要は・・・

めざせ!DNAマスター
どうして、あなたはお父さんやお母さんと似てるの?
そのヒミツはあなたの体の中にある「DNA」という物質に隠されています。
今回はその「DNA」を、研究者と一緒に実験してこの目で確かめましょう!

なんとも興味をそそる内容ですね。
実際に当日も、この一見説明が難しそうなテーマを非常に平易な言葉と分かりやすいイラスト・写真を沢山用いて解説したプレゼンテーションのおかげで、小学校低学年の生徒さんでも飽きる事なく、目をキラキラさせながら終始宮岡先生のお話に熱心に耳を傾けていました。

まずは座学から

DNAの二重らせん構造ってどんなもの? 生徒さんたちが模型に近づき、興味津々のまなざしで見つめていました。

  

プレゼンテーションはこんな親しみたっぷりのイラスト付きの1ページ目からスタート!

それに続いたのは、
「おとうさん、おかあさんにこどもは似ている?」 という見出しとともに現れた、宮岡先生のご家族のお写真!

ここでお見せ出来ないのが非常に残念なのですが、宮岡先生とお子さんたちはとてもそっくりなのです!会場にいた生徒さんや保護者の方も、「遺伝」「DNA」というものが一気に身近に感じられたに違いありません。


そして、低学年のお子さんでも決して躓かないように工夫されたスライドでのお勉強は続き・・・
お勉強の内容はヌクレオチド、DNA二重らせん構造の発見者、染色体のことなど。
ヒトゲノムは30億ヌクレオチドあり、これは新聞の朝刊の文字をすべてATGCに置き換えたとして約46年分(!)にもなるという興味深い解説が続きます。

   
個人的にとても面白いと思ったのは、アガロースゲル電気泳動を「鳴子くぐり」に例えた説明。
なるほど、自分が小さければ小さいほど網目の奥へ奥へと進むことができるのは、小さいDNAほどアガロースの網目をくぐりぬけられるのと同じですね!とても分かりやすいです。

  

この後の実験タイムでは、いよいよ実際にピペットやチップを使ってDNAサンプルをゲルにアプライし、電気泳動を行ってDNAを光らせて見てみます!

この時、宮岡先生が今日の実験でも使う、弊社のミドリグリーン(核酸染色試薬)を紹介してくださいました。
しかもカッコいいイラスト付きです!(感動)
さすがに、小学生向けの講座でエチジウムブロマイドを使うわけには行きません。弊社の安全な試薬がお役に立てて嬉しいと感じた瞬間でした。

いよいよ実験だ!

そして、いよいよ待ちに待った実験タイム!
宮岡先生の研究室の協力サポーターである学生さんが補助に入り、各班の生徒さん&親御さんに、ピペットの扱い方、チップの扱い方、ゲルにアプライする際などの注意点などを親切に教えます。

この日参加された小学生の皆さんに課されたミッションは、、、
それは、強盗が入った宝石店に残されていた髪の毛からDNAを分析し、防犯カメラに映っていた AさんかBさんのどちらが犯人なのか割り出せ!というものです。う~ん、小学生ゴコロをくすぐりますね。
やってやるぜ!という気合いが、特に男の子たちからひしひしと感じられました。(笑)

DNAの長さを知るためには、DNAマーカーを使います!
と、ふと部屋の角に人だかり。それはお菓子をもらう為に並んでいる子供たちの列・・・ではなく、DNAサンプルを受け取るために並んでいる列でした。

  

DNAサンプルを受け取ったら、アガロースゲルにアプライし、電気泳動スタート。
どの班もワイワイ盛り上がっていました!

ピペットの使い方を教わって・・・

早速自分でやってみる子もいれば、まずは先生方の見本をじっくり観察する子も・・・

  
少し経つと、だんだんと手慣れてくる子も・・・

「あともう一回できるけど、誰かやりたい人いる?」の声掛けに、迷わず「はい!!やりたい!」と手を挙げる子も。  

ここまで熱中してくれると、見ている方も何だか嬉しくなってしまいます!

電気泳動タイム

無事にサンプルをアプライできたら、次は電気泳動タイム。
生徒さんたちがグローブを風船代わりにして遊び始めるのも時間の問題でした・・・(笑)

さてさて、電気泳動中は空き時間。
自然な流れで、研究室メンバーの自己紹介タイムとなりました。

“なんで研究者になろうと思ったのか?”

という素朴でありながら、実は私もぜひ聞いてみたいと思っていたお題が、宮岡先生からラボメンバーの皆さんに投げかけられました。一部ご紹介させていただきます。

加藤研究員
「今まで分かっていないことを、自分が最初に見つけられるというのが研究者にしかできない事なので、それは一番楽しいです。いま私たちがやっている研究は、将来、例えば新しく見つかった病気や、今も難病で苦しんでいる患者さんたちが沢山いると思うのですが、そういう人たちの救いになる可能性があります。そんな研究が出来たらいいなと思っています」

高橋研究員
「僕の出身地は北海道なのですが、皆さんと同じ年のころは、昆虫を採ったりしていました。北海道は自然が多いので、魚を網を獲ったりしていて、その頃から生き物がすごく好きでした。
新しいことを発見するということもそうですが、色んなことをできる新しい技術がどんどん出てきています。機械などもそうですが、そういった新しい技術を使って実験するのも好きで、気が付いたらこうなっていました。いずれは世のため人のためになるような事ができたらと思っています」

学部生 中島さん
「僕がDNAマスターになろうと思った理由ですが、皆さんと同じくらいの5年生の頃に染色体に興味があったので、染色体異常で発症してしまう病気を治そうと考えたのがきっかけです。ご縁があって宮岡先生にお会いする機会があり、ここしかないと思い、今に至ります」

  

ラボメンバーの皆さん、ひとりひとりの熱い想いと言葉に心打たれ、感動していたのも束の間・・・

「(電気泳動)あと何分? え? 4分?・・・あ、ジェネさん話す!? 話しますか?」という宮岡先生の一言で、急遽、弊社営業担当の山崎もお話しさせて頂く展開となりました(笑)

日本ジェネティクスに入ろうと思ったきっかけは・・・とお話させて頂きましたが、小学生の親御さんが興味深く聞いてくださっていたような気がします。


さすが営業マン。とっさの状況にもそれなりにちゃんと話ができて凄いじゃないか!と心の中で同僚を褒めちぎりながらカメラのシャッターを押していたら、正直、若干予想していたような気もしますが・・・「Nさん話します?」と宮岡先生から容赦のないご指名を賜りました。(汗)
ということで編集担当Nも、僭越ながら皆さんの前に立ち、とりとめのない話をさせて頂きました。緊張のあまり何を話したかは一切記憶にございません。

安全なBlue/Green LED イルミネーターでバンドを観察!

そうこうしているうちに電気泳動が終わり、いよいよその瞬間。
みんなが分注したDNAがどんな風に見えるのか? Aさん、Bさん、どちらが犯人なのか?

どう? 見える? 見えた?
  

あ~!見えた! という声が会場のあちらこちらから聞こえてきました。

今回、実験機器として弊社がご提供させて頂いたのが、安全なBlue/Green LEDを搭載したゲル撮影装置 FAS-Nano と、 ゲル切り出しもできる Blue/Green LED イルミネーター。
UVと異なり、人体とサンプルへの悪影響がほぼ無いため、小さなお子さんでも安心してお使いいただくことができます。

無事にバンドが確認できた・・・ということは、犯人も割り出せたということですね!!
自信満々に手を挙げる子が沢山いました^^

こうして、DNAとは何なのか?から始まり、そのDNAってやつを実際に見てみよう!そしてDNAマスターになろう!という今回の講座は、盛大な盛り上がりとともに大成功で幕を閉じました。

日本ジェネティクスより

弊社は、実験機器・試薬のご提供と当日のお手伝いという形でご一緒させて頂きましたが、今回の講座を取材させて頂いたお陰で改めて感じたことがあります。

弊社が、この業界でも先陣を切り、強いメッセージとして掲げている
「脱UV・脱EtBr」の取り組みは、正直これまで、実験者の方を守ることであったり、サンプルへのダメージを軽減するという視点での重要性ばかりに注意を向けていましたが、今回のようなイベントにご一緒させていただけた事で、また新たな意味を見出せたような気がします。

それは、まだDNAとは何たるかも知らない子供たちに、研究・実験について触れてもらう機会を与えるだけでなく、ライフサイエンスという分野を身近に感じてもらえる機会が提供できることです。
その子供たちは、いつか将来何かの拍子に、身近な人の病気・染色体異常・先天性異常などに遭遇することがあるかもしれません。
その時に、自分の目の前の人、または同じような病気に苦しんでいる人たちを救うことに繋がるかもしれない道を日々研究する「研究者」という道があるということを知ってさえいれば、今回参加した子供たちが将来目指す職業の選択肢の一つに「研究者」が入るかもしれないのです。

お医者さんやパイロットさんは小さい時から知っている有名な職業ですよね。
テレビやドラマでも良く見聞きする、どちらかと言えば身近な職業なので目指す人も多いと思いますが、研究というのは大人である私たちにとっても、実は意外と身近なものでは無いと思います。
しかし、その地道な研究活動こそが私たちの将来を変える可能性があり、命をも救う可能性すら秘めているということ。
そんな素晴らしい道を、安全な装置や試薬があるというだけで今の子供たちにとっての身近な存在にさせられる。それは、実は日本だけにとどまらず世界の未来にとって、とても意味のある事なのではないかと感じました。

このような気付きを与えて頂けたのも、今回のようなイベントにお邪魔させて頂いたお陰です。
宮岡先生をはじめ、ラボメンバーの皆さん、そして取材を快諾して下さった小学校の関係者の皆様には心より感謝申し上げます。

今回の講座で使用した機材・試薬はこちら

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