- ジェノスタッフ株式会社とは?:ISH(in situ Hybridization)、免疫組織染色を始めとした遺伝子機能解析に関する研究受託会社
- ISHにおいては4,000遺伝子以上の解析に成功しており、また、1,000種類以上の抗体の免疫染色の受託経験をもつ、高い技術力をもった会社
- 動物の解剖、固定、薄切、染色など一連の作業をすべて自社で実施
- その豊富で貴重な経験と知識を生かして、同社の野口社長が、自社のホームページで発信されているコラムを、特別な許可をいただき転載しております。
- 時に辛口で、時に生々しい野口社長のコラムをお楽しみください。
第4弾 「免疫染色の抗原賦活化ってどれが正解???
マウス腎臓 連続切片を使用 | ||
論文A:無処理 | 論文B:酵素処理 | 論文C:熱処理 |
これまで研究者の方のご依頼で、1,000種類以上の抗体を用いて免疫染色(IHC)の条件検討を行ってきました。
その時に抗原賦活化条件によって全く染色結果、特異性が変わることでよく悩みます。
同じメーカーの同じ抗体にも関わらず、論文によってIHCの賦活化条件(染色条件)が違うし染色結果も違っている、よくある話ですね。
それぞれは特異的には染まっていても、いったいどれが正解なのか???
その一例を再現してみました。。。
これはある有名な抗体なのですが、論文で使われていた3種類の抗原賦活化(染色条件)を用いて、IHCを行った染色結果です。
組織はマウス腎臓の連続切片を用いました。
ある論文は熱処理でした(右の写真)
ある論文は酵素処理でした(中央の写真)
ある論文は無処理でした(左の写真)
どうでしょう!?ほぼ同じ断面ですが3つの論文は全部違う染色結果になりました・・・
何が言いたいかというと、論文や抗体メーカーの情報だけを鵜呑みにしないことです。
染色結果を自分で検証することは本当に重要です。
方法は色々ありますが、先ずは全ての賦活化を試してみることです。
判断しやすい手段としてISH(mRNAの発現)との比較をお薦めします。
mRNAとタンパクの発現は全く同じだとは言いませんが、経験的にかなり相関した傾向が確認できます。
ちなみに以下がISHの染色結果です。
いかがでしょうか?
2017/11/21 掲載
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