第六十五回 38年後を楽しみに

東大名誉教授・塩田邦郎先生コラム「エピジェネティクスの交差点」
塩田 邦郎 先生のご紹介

東京大学名誉教授

1979年より製薬会社中央研究所、1987年より現在まで東京大学(農学生命科学研究科)、2016年から2020年まで早稲田大学にて研究されてきた。素朴な生物学の影を残した時代から、全生物のゲノム情報を含む生命科学の基礎と産業応用の飛躍の時代になった。本コラムでは大学や企業での経験も交えながら、専門分野のエピジェネティクスを含めた自由な展開をお願いしました。


第六十五回 38年後を楽しみに

 「阪神タイガース優勝おめでとう」と製薬会社時代の同期にショートメッセージを送った。すると「道頓堀のように大喜びするエネルギーは無くなりました。最近は都市計画なども2040年というように遠い先のことが多く、あまり嬉しくありません」との返事、なんと返信しようかと、戸惑う。

 正直なところ、私も阪神タイガース優勝自体がそれほど嬉しいわけではない。直接自分とは関係のない遠く離れた関西のプロ野球チームの優勝の何が嬉しいのか? これが地元に近い関東のチームだったらもっと喜ぶべきか。

 大学院を終え製薬会社に就職して大阪に住み始めた。仕事を終えて同僚達と何度か甲子園球場に足を運んだ。関西弁に囲まれた不思議な雰囲気に六甲おろしが流れる甲子園球場、繰り返し訪れているうちに波動が家族にまで達し、子ども達までタイガースファンになっていた。その後、私が大学に移り関東の郊外に住むようになっても、子ども達はタイガースファンのままで、縞模様のタイガースの帽子をかぶって学校に通っていた。タイガースのタオルを掲げてテレビに見入っている孫達の写真が届いた時には、さすがに責任を感じた。心ならずも虎ファン三世にしてしまった。

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