第4回!研究室インタビュー

第4回!研究室インタビュー
チームみどり
本記事は、弊社の「実験環境よくばり向上プロジェクト」にご賛同いただき、
実際にそのコンセプトに沿った製品を導入されているお客様の事例を、インタビュー記事と共にご紹介させて頂く企画です。
どのような経緯で製品を導入するに至ったのか、導入後は実験環境がどのように変化したかなどをご紹介いたします。

お話聞かせてください!研究室インタビュー

第 4 回目の研究室インタビューに快く応じて下さったのは、
東京医科大学 生化学 の皆さんです!

では、さっそくお話を伺っていきましょう。


■どのような研究をされている研究室でしょうか?

森谷先生,高野先生
当研究室では各種難治性癌の治療を目指してオートファジーの人為的制御法の研究を行っています。

■森谷先生と高野先生はどのような研究をされているのでしょうか?

森谷先生,高野先生
細胞内にはプロテアソーム系とオートファジー系という二つの二大タンパク分解系が存在します。
私たちは日常臨床で使用されているマクロライド抗生剤のオートファジー阻害作用に注目し、ボルテゾミブなどのプロテアソーム阻害剤とマクロライドを併用して、二大タンパク分解系を同時阻害すると骨髄腫細胞株に小胞体ストレス負荷を伴った殺細胞作用の増強が生じることを発見しました。
この観点をもとに、難治性癌に対する小胞体ストレス負荷誘導療法の開発を目指して研究を行っています。

■UV,エチブロから切り替えられた理由を教えてください

森谷先生,高野先生
研究の他に、学生実習でDNAを扱っていますが初めて分子生物学実験を行う学生に危険性の高いUVやエチブロを使用させることに不安を感じていました。
また、研究分野においてUVではゲル抽出の際にDNAにダメージが入ってしまう事もあり、扱いにくさを感じていました。
そこで、日本ジェネティクスさんから青緑LEDを用いた本撮影装置をご紹介いただき、実験環境を改善する目的でこのシステムを導入致しました。

■弊社FAS-Digi(Blue/Green LED)、ミドリグリーン Advanceを知った経緯を教えてください

森谷先生,高野先生
カタログで大きく取り上げられており、デモ機を貸していただけるとのことで試させていただいたのがきっかけです。ミドリグリーンについてもサンプルを頂きました。

■FAS-Digi(Blue/Green LED)、ミドリグリーン Advanceを試された結果と感想を教えてください

森谷先生,高野先生
感度良く撮影でき、操作も簡単で素晴らしいと思います。

■どのような点を気に入って頂いていますか?

森谷先生,高野先生
私はミドリグリーンアドバンスを用いたゲルの先染めをよく行っています。
エチブロでは、ゲルの先染めを行うとエチブロの汚染エリアが拡大してしまうといった問題がありましたがミドリグリーンではそのような門題がなく、泳動後、すぐに結果を確認できるため助かっています。
最近の制限酵素に付属しているloading dyeは制限酵素とDNAを乖離しやすくするためSDS を添加しているものがありますがミドリグリーンアドバンスでは特に条件を変更することなく、これらloading dyeも使用できるため従来通りの明るくタイトなバンドパターンを得ることができます。

■日本ジェネティクスのことは知って頂けていましたでしょうか?

森谷先生,高野先生
学生のころから知っていました。定期的に代理店さんからいただくカタログを楽しみに読ませていただいておりました(笑)

■学生実習はどのようなことをされているのでしょうか?

森谷先生,高野先生
PCR法によるALDH2アルデヒド脱水素酵素2遺伝子型(SNP:一塩基多型)の解析を行っています。
ヒトとヒトのDNAの配列は、99.9%が同じであり、0.1%の遺伝情報の違いが、個人間の顔や体型、体質、性格の違いなど、ヒトの多様性を生み出していると考えられています。
一塩基多型(SNP) は遺伝子の塩基配列が1カ所だけ異なっている状態を指し、SNPのタイプにより、酵素などの生体内タンパク質の働きが微妙に変化することが知られています。
SNPにより病気への罹り易さや、医薬品への反応に差が出ることが知られており、医療分野ではSNPを元に患者個人に最適な治療方法を計画する「オーダーメイド医療」の開発が期待されています。
本実習では「お酒に強い」「弱い」を決定するALDH2のSNPを題材に、今までDNA 解析などのバイオテクノロジーを学ぶ機会がなかった学生に、SNP の医学的な意義とPCR などの最新分子生物学技術の医学領域での応用を深く理解してもらい、生物や生命現象に興味を抱かせ、科学的な見方・考え方を習得してもらうことを目的としています。

■学生実習でミドリグリーンとLEDを導入されたきっかけを教えて頂けますでしょうか?

森谷先生,高野先生
実習室とUVトランスイルミネーターがある部屋が離れており、エチブロを使用すると汚染エリアが拡大してしまうという問題がありました。そこでエチブロを使用せずにスマートフォンで簡単に撮影できるタイプであるミドリグリーンアドバンスとFAS-Nano のデモ機を試させていただきました。

■学生実習へ導入して、良かったこと、悪かったことについて教えて頂けますでしょうか?

森谷先生,高野先生
エチブロのような危険性がなく、スマートフォンで撮影するので、初めて分子生物学実験を行う学生でも気軽に操作できるのが良かったです。
悪かった点はゲルの先染めを行うと、低分子側の染色が弱くなることです。しかし、泳動を行いながら適宜LEDで観察することができるので、ちょうどよいところで泳動をストップでき、大きな問題にはなっていません。安全でしかも、従来のエチブロ後染めにかかっていた分の時間を節約でき、その分の時間を学生とのディスカッションに充てています。

■日本ジェネティクスに対してどのような印象をお持ちでしょうか?

森谷先生,高野先生
良い商品を比較的安価に提供して頂け、さらに対応も早く、大変助かっております。
学生実習でPCR実験を行っているのですがTaqポリメラーゼにKAPA Taq EXtra PCR Kit(KK3009)を使用しています。
これまでは他社の同等製品を使用しておりました。しかし、学生実習(学生120 名)を行うにあたり、経費削減の観点からコストパフォーマンスに優れたPCRキットを探していました。そんな時に日本ジェネティクスさんからKAPA Taq Extraのサンプルをいただき、試してみたところ、非常に良好な実験結果が得られましたので学生実習に採用することにしました。他にもKAPA HiFi HotStart ReadyMix(KK 2601)やKAPATaq ReadyMix with dye(KK1024)を愛用しており、PCRで困ったことがあるとすぐにテクニカルの方に相談させていただいております。

■他の研究室に伝えたいことがあれば教えてください

森谷先生,高野先生
最初はカタログでちょっと気になった程度でしたが、日本ジェネティクスさんは突然のデモ機貸出のお願いにも快く応じてくれました。
また、購入後のサポートも手厚く、いつも安心して実験しています。本当に気軽にデモ機を試させていただけますので、エチブロフリーを是非体験して頂きたいと思います。
また、ミドリグリーンアドバンスは比較的安く、1:20,000で使用※していますので1本1ml を購入するだけで20リットルのアガロースを染色することができます。
※ 取扱説明書ではゲル100ml あたり4 ~ 6μl 添加を推奨していますが、用途に応じて最適化いただけます。

NGC営業担当者より

NGC営業担当者
高野先生と森谷先生には、弊社製品のFAS-Digiやミドリグリーンアドバンスを愛用していただいておりました。
今回、学生実習用でFAS-Nanoを採用してくださることになったので、思い切って研究室の取材のお願いをさせて頂いたところ快く引き受けて頂けました。
以前より、エチブロ&UVフリーに関心をお持ちで、弊社の脱エチブロ、脱UVの取り組みにも関心を持っていただいておりました。
学生実習で弊社の製品を採用して頂き、安全に、簡便にできるようになり、運用がスムーズになったとコメントを頂き、大変うれしく思っております。
FASシリーズ、ミドリグリーンシリーズ以外にも弊社製品(PCR酵素、アガロース等)をご使用して頂いており、コストパフォーマンスに優れているとご評価を頂いております。
皆さまの研究室のお役に立ちたいと考えております。いつでもお気軽にご連絡ください! 

東京医科大学 生化学 森谷先生、高野先生
この度は貴重なお話ありがとうございました。

アプリケーションノートのご紹介

東京医科大学 生化学 森谷先生、高野先生にご協力をいただきました、
2つのアプリケーションノートは、アプリケーションノート検索サイトにてご紹介しています。

【プラスミドの制限酵素による切断とDNA断片の確認】
こちらのアプリケーションノートのPDFダウンロード : こちら

【PCR法によるアルデヒド脱水素酵素のSNP解析】
こちらのアプリケーションノートのPDFダウンロード : こちら

同研究室にご採用頂いた製品一覧

ファス・デジ| 日本ジェネティクス株式会社 製品検索
詳細を見る ▸
ゲル撮影装置 ファス・ナノ| 日本ジェネティクス株式会社 製品検索
詳細を見る ▸
お話を聞かせて頂ける研究室募集しています!
お話を聞かせて頂ける研究室募集今回ご紹介させて頂いた事例のように、すでに実験環境の向上に取り組んでいる、またはこれから取り組まれる予定という研究室の方がいらっしゃいましたらぜひお話を聞かせて下さい!当社製品導入済み・未導入に関わらず、ご興味がありましたらお気軽にお問い合わせください。
日本ジェネティクス チームみどり(Email:info@genetics-n.co.jp)

■研究室インタビュー記事一覧はこちら

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