日本ジェネティクスのテクニカルノートとは?
発売したばかりの新製品の性能評価や、既存製品の最適な条件を追求するための条件検討をすることでお客様に心からご納得頂いた上で商品をお使い頂けるよう、様々な評価試験を行っています。
採用前の検討資料として、または採用後の最適条件検討資料としてご活用ください。
また、当データに関するご質問はお気軽にページ下部のフォームよりお問い合わせください。
試薬および機器
- 2%アガロースゲル
1×TAE(10×TAE nacalai tesque, Cat.No.35430-61を希釈して使用)
アガロース(FastGene, Cat.No.NE-AG02) - 泳動DNAサンプル
100 bp DNA Ladder PLUS(FastGene, Cat.No.NE-MWD100P)
6×KAPA DNA Loading Dye(KAPA, Cat.No.KD6300) - 電気泳動
電気泳動装置:Mupid–exU
泳動条件:100V、30分
泳動バッファー:1×TAE - ゲル撮影
撮影装置:FAS-Digi Pro(日本ジェネティクス株式会社, Cat.No.GP-07LED)
実験① 先染め法
方法 | : | TAEバッファー100 mLあたりにアガロース2 g、MGAを4 μL添加し、厚さ3 mm、5 mm、10 mmのゲルを作製した。 このゲルを用いて、DNAラダーを0.5 μg, 0.25 μg, 0.125 μg/wellの濃度で電気泳動を行い、撮影をした。 |
撮影条件 | : | F=8, Exposure 2.0 sec, ISO=200 |
結果
3 mmでは十分な輝度が得られない。
一方10 mmではゲル由来のバックグラウンドが強く観察される。
結論
先染め法においては、ゲルの厚さは5 mmが最適である。
実験② 後染め法
方法 | : | TAE バッファー100 mLあたりにアガロース2 gを 添加し、厚さ3 mm、5 mm、10 mmのゲルを作製した。 このゲルを用いて、DNAラダーを0.5 μg, 0.25 μg, 0.125 μg/wellの濃度で電気泳動を行った。 MGAをTAE バッファー100 mLあたり10 μLを添加した溶液で、5分、15分、30 分ゲル染色し、撮影を行った。 |
撮影条件 | : | F=8, Exposure 0.8 sec, ISO=200 |
結果
結論
後染め法においては、ゲルの厚さは3 mmから5 mmが適している。
(参考)後染め法:ゲルの厚さ3 mmおよび5 mm使用感について
ゲルの厚さ | メリット | デメリット |
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3 mm |
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5 mm |
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まとめ
ゲルの厚さが取得できる画像に大きく影響を与えることが分かった。
MGAを用いて染色を行う際、厚さを意識してゲル作製することが、鮮明な泳動像を得るためのポイントである。
先染めの場合:5 mm程度にする 後染めの場合:5 mm以下にするのが望ましい。