【製品性能評価】DNA先染め染色におけるMidori Green Xtraの製品評価

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テクニカルノート2018<06>
製品名: FastGene™ Midori Green Xtra(NE-MG10)     

目的

新しい染色試薬であるMidori Green Xtraの先染め法使用時における性能を評価する。

製品背景

アガロースゲル電気泳動で分離したDNAの染色の方法の一つに“先染め染色法”がある。先染め染色は、核酸染色試薬をあらかじめ含有させたゲルを用いて電気泳動を行う。
このため、泳動後、DNA染色行程を必要とせずに泳動結果を観察できるメリットがある。一方で、バンドの歪みや、本来、分子量依存的であるべき泳動度に変化が生じるリスクを抱えている。
このため、先染め染色に用いる試薬には、高感度にバンドを検出できることに加え、正確にサイズ分離されることが求められている。

<先染め染色法に用いる核酸染色試薬に求められる要件>
• バンド輝度の高さ            → 高度な検出  
• バックグラウンドの低さ(S/N比の良さ)→ 〃
• バンドが分子量に準じて歪みなく分離されること → 正確なサイズ分離
• 核酸染色試薬が泳動度に影響を及ぼさないこと  → 〃

評価方法

核酸染色試薬Midori Green Xtra(MGX)と、既存製品であるMidori Green Advance(MGA)、C社試薬GG、GRについて、メーカー指定量使用し先染め染色を行い、ゲル観察に常用的に用いられる励起光波長(302 nm)、Blue(470nm)、Blue/Green(500 nm)の3種類の光源下でゲル画像を取得し、形成バンドの観察、ならびにバンド輝度の定量的評価を行った。

実験手順

①以下の条件で先染めゲルを作成した。
• アガロースゲル :2.0% TAE agarose gel(NE-AG02)12.5ml/ミニゲル1枚
• 核酸染色試薬 :メーカー指定量使用

試薬名 メーカー指定添加量
( 2% agarose 100 mL)
Midori Green Xtra( NE-MG10) 4 μL
Midori Green Advance( NE-MG04) 4 μL
C 社 染色試薬GG 10 μL
C 社 染色試薬GR 10 μL

② DNAの希釈系列(0.1 μg/μL、0.05 μg/μL、0.025 μg/μL、0.013 μg/μL、0.006 μg/μL、0.003 μg/μL )を作成し、作成した先染めゲルに各10μLアプライした(上図)。
 • DNAサンプル:100bp DNA ladder, 0.1 μg/μL(FastGene: NE-MWD100)
 • 希釈溶媒:10×Loading Dye(TAKARA, 9157)と1×TAEを1:9の割合で混合したもの。

③ 以下の条件で電気泳動した。
 • 電気泳動:SafeBlue Electrophoresis system(MBE-150Plus)
 • 電気泳動条件:100V, 30min

④ 泳動後、以下の条件でゲルの画像を取得した。
 • 撮影装置:FAS-Digi(Pentax MX-1)
 • 撮影条件:Illuminator
  i) U.V.(302nm)
 ii)Blue(470nm)
 iii)Blue/Green(500nm)
    Camera:Pentax MX-1
      ISO 100, autofocus, f = 4.0

⑤ Image Jで画像解析を行い、100 bpバンドに関してバンド輝度およびS/N比を算出した。                                            

結果

i)U.V.(302nm)
 Exposure time 3 sec

ii)Blue( 470nm) 
Exposure time 1 sec

iii)Blue/Green( 500nm)
Exposure time 1 sec

1)バンド形成への影響について
Blue/Green(500nm)Exposure time 1 sec 
               
                     


                                                
2)バンド輝度・S/N 比について

i)U.V.(302nm) Exposure time 3 sec

ii)Blue( 470nm) Exposure time 1 sec


iii)Blue/Green( 500nm) Exposure time 1 sec

まとめ

テクニカル担当者
• Midori Green Xtraは,先染め染色を行った場合に起こる泳動度の変化、バンドの歪みが観察されない試薬である。
• Midori Green Xtraは、Midori Green Advanceよりも低バックグラウンド、高いS/N比を可能にするDNA染色試薬である。
→Midori Green Xtraは先染め法に理想的な性質を備えている。

 

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