【お客様事例】褐色脂肪組織からのRNA抽出(応用事例)

日本ジェネティクスのアプリケーションノートとは?

  • 当社製品を実際にご使用頂いた、正真正銘、日本国内の研究者様による評価データ
  • 製品をご検討中の方はもちろん、すでにお使いのお客様におかれましても、類似の研究をされ粗抽出ている他の研究者の方の事例集としてご活用頂けます

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アプリケーションノート 2017<26>
製品名:FastGene™ RNA Basic Kit(FG-80050, FG-80250)
メーカー名:日本ジェネティクス株式会社

下記データは、国内のお客様のご厚意により掲載させていただきました。

本アプリケーションノートのポイント
RNA精製において、ダウンストリームに必要な品質・量のRNAを精製するためには最初のステップであるホモジナイズが完全に実施されることが重要です。
一般的なRNA精製キットにおいて、溶解バッファーを用いたホモジナイズの操作は、物理的に細胞や組織を破砕するだけでなく、細胞に含まれるRNaseの不活性化をするために行われます。 特に脂肪組織などRNaseを多量に含むような組織や細胞では、ホモジナイズの操作でいかに早く完全にRNaseを不活性化するかが、良質のRNAを精製する上でのポイントとなります。
FastGene™ RNA Kit の応用事例として、脂肪組織を用いたRNA精製をご紹介します。

ワークフロー

実験条件

サンプル情報
  マウス 肩甲骨間褐色脂肪組織 30 – 50 mg
ここがポイント!

ホモジナイズ条件
 RL buffer 600 μL+1 M DTT 40 μL 組織片を添加
    ↓
 電動ホモジナイザーによるホモジナイズ
 (17700×gで5分間遠心)
    ↓
 上清400 μL程度分取後70% EtOH 400 μLと混合 
 ※上清分取の際に脂肪分をとらないように注意!

 
収量・純度測定
  装置:SimpliNano(Biochrom社)

品質チェック
  試薬:Agilent RNA 6000 Nano Chips
  装置:Agilent 2100 Bioanalyzer

逆転写反応
  インプットRNA量:0.5 μg(1反応10 μLあたり)
  逆転写酵素:ReverTra Ace® qPCR RT Master Mix with gDNA Remover
       ( Code No. FSQ-301)

リアルタイムPCR条件
  インプットcDNA量:200 倍希釈物を5 μL(1反応15 μLあたり)
  試薬:KAPA SYBR Fast qPCRキット(Universal qPCRキット)
  装置:LightCycler 96

● 反応組成
 KAPA SYBR FAST qPCR Master Mix(2X)
 10 μM forward primer
 10 μM reverse primer
 Template DNA
 MQ water
7.5 μL
0.5 μL
0.5 μL
5 μL
1.5 μL
 total 15 μL
●プログラム
 Initial denature
 Denature
 Annealing
 Extension
 Melting
95℃ 10 min
95℃ 10 sec
60℃ 10 sec
72℃ 10 sec
45 cycles

結果

結果① 収量・純度測定

サンプル 溶出量 濃度 A260/
A280
A260/
A230
A260 A280 A230
1 50 μL 392.3 ng/μL 2.08 2.28 9.84 4.76 4.33
2 305.2 ng/μL 2.11 2.26 7.70 3.69 3.45
3 196.2 ng/μL 2.07 2.24 5.04 2.50 2.33

結果② 品質チェック(RIN 値, 28S/18S)

サンプル RIN値 28S/18S
1 8.6 1.4
2 8.8 1.5
3 8.9 1.5
サンプル1 サンプル2
サンプル3  

 

褐色脂肪組織から十分な純度と収量のRNAが得られた。
また、リアルタイムPCRでも期待どおりの結果が得られた。

結果③ リアルタイムPCR

お客様の声
フェノールとチオシアン酸グアニジンを用いた方法に比べ、簡便に高純度なRNAが十分量精製できます。

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