日本ジェネティクスのアプリケーションノートとは?
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下記のデータは、一般社団法人愛知県食品衛生協会 食品衛生センター 小林 慎一 様のご厚意により掲載させていただきました。
実験概要
腸管出血性大腸菌(enterohemorrhagic Escherichia coli: EHEC)感染症は、激しい腹痛を伴う水様便、血便等とともに重篤な合併症を起こすことがある感染症である。
原因菌であるEHECは、「ベロ毒素(Vero toxin: VT)を産生またはVT遺伝子を保有する大腸菌」と定義されており、VTには2種類のサブタイプ(VT1, VT2)が存在する。
診断には、糞便からの病原体の分離とVTの検出が必要となり、VTの検出には、VT遺伝子検出、免疫学的手法が用いられる。
遺伝子検出法は、迅速かつ高感度な方法であり、VT1、VT2のタイピングも可能である。
本アプリケーションノートでは、モバイルリアルタイムPCR装置であるPicoGene® PCR1100を用い、VT1、VT2識別検出が可能か、検証を行った。
検証方法
使用キット | : | FastGene™ VT1/VT2 Detection Kit(FastGene / Cat.No. FG-VT-16, FG-VT-96) |
サンプル | : | 腸管出血性大腸菌(O-157, O-111, O-26)の保存株をソルビトール・マッコンキー寒天培地にて24時間培養、分離培養されたコロニーをピックアップ |
使用装置 | : | モバイル リアルタイムPCR装置 PicoGene® PCR1100(日本板硝子株式会社/Cat.No. PCR1100) |
操作方法 | : | FastGene™ VT1/VT2 Detection Kit 1チューブに、サンプルを 2.5 μLを加え、合計17 μLとした これをモバイル リアルタイムPCR装置 PicoGene® PCR1100用測定チップ(日本板硝子株式会社/Cat.No.MCP1100)へ入れ、測定を行った |
反応プログラム
Step | Temp(℃) | Time(sec) | |
---|---|---|---|
Preincubation | 95 | 15 | |
Amplification | 95 | 5 | x 45 cycles |
62 | 20 |
*モバイル型リアルタイムPCR装置 PicoGene® PCR1100の初期設定プログラム6番を使用した
測定時間は最短10分
高速に反応する試薬と組み合わせることで、最短10分で測定できます。
フィールドワークのように研究室から遠かったり、調査時間が限られていたりするとき、時間をかけてサンプルを研究室に輸送して分析結果を待つ手間を省くことが可能です。
このスピードはフィールドワークにおいて強力な味方となります。
片手で持ち運びできる本体重量560g
どんなに簡単・迅速なPCR装置でも、重くては持ち運ぶのに一苦労です。
PicoGene® PCR1100の重量はわずか560g。 片手で持ち運びできる携帯性・機動性を兼ね備えています。リュックやカバンの中に入れることもできるコンパクトさです。
操作はたったの3ステップ
装置の性能が優れていても、操作ステップが煩雑では使える人が限られてしまいます。
PicoGene® PCR1100は「測定チップにサンプルを注入」 、「装置に測定チップをセット」 、「STARTボタンを押す」 の3ステップだけ。企業などで、初めてリアルタイムPCRをする初心者にも優しい装置です。
結果
結果 陽性検体(O-157, O-111, O-26)すべてにおいて、陽性の結果を得られた。
腸管出血性大腸菌による食中毒の原因遺伝子であるベロ毒素遺伝子(VT1,VT2遺伝子)を、リアルタイムPCR(PCR1100だけでなく通常のqPCR装置も含めて)により検出するためのキットです。
プライマー・プローブ配列は通知法通り(厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課長通知(平成26年11月20日))の物を使用し、蛍光はVT1をFAM、VT2をROX、ICをCy5で標識したマルチカラーディテクションキットとなります。1反応でベロ毒素遺伝子の検出はもちろん、VT1/VT2のタイピングまで可能です。
マスターミックスにはプライマー・プローブを混ぜて供給する為、ユーザーはDNAサンプルを混ぜるだけで測定可能なReady to Useタイプとなっております。
この記事で紹介した製品
- こちらのアプリケーションノートのPDFダウンロード:こちら
- 製品情報詳細ページ:
モバイルリアルタイムPCR装置 PicoGene® PCR1100(Cat.No.PCR1100)
FastGene™ VT1/VT2 Detection Kit(FastGene / Cat.No. FG-VT-16, FG-VT-96) - アプリケーションノート検索ページ(型番・キーワード・アプリケーションから検索可能)
今後、食中毒事件の原因究明や食品検査などへの応用が期待されます。