用途に応じて選べる、精密な細胞実験の新定番
ibidiマイクロパターニングは、細胞培養をする際に細胞接着領域の制御を可能にする技術です。すでに各種タイプが販売されておりますが、このたび、細胞接着パターンに「ibiTreat」を利用したラインナップに新製品が加わりました。研究用途に合わせ各種パターンサイズからお選びいただけます。サンプル依頼も承っておりますので、ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。
マイクロパターニングテクノロジーの原理
ibidi µ-Patterningテクノロジーは、細胞非接着加工(Bioinert)と細胞接着加工(ibiTreat)を組み合わせることで、細胞の接着位置(接着パターン)をコントロールする技術です。
マイクロパターニングテクノロジーについてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
関連記事(2025.1.16):
【新発売】3D培養研究の強力なツール!ibidiマイクロパターンスライドに新製品が登場
【新製品】シングルセルアレイ用マイクロパターンスライド ibiTreat
パターンサイズ:30 μm、ピッチ75 μm

- 開封して細胞を播種するだけでパターンに添った細胞アレイを可能にします。
- 精密なシングルセルアッセイに最適化
- ライブセルおよび蛍光イメージング – ライブセルおよび固定細胞の両方における高解像度の長期観察や蛍光顕微鏡観察に最適化
- 底面は高倍率顕微鏡観察に適合可能なibidiポリマーカバースリップ製(厚さ:180 µm +10/–5 µm)
- 接着用パターンは良好な細胞接着力が得られるibiTreatタイプ
- µ-Slide VI 0.4タイプの細胞播種する部分(チャネル)にはチューブを接続するためのルアーコネクターが備わっているため、ibidiポンプ等に接続することも可能
アプリケーション
細胞1つ1つは、遺伝学的およびプロテオミクスの点において⼤きく異なり、結果として、その⼤きさ、形態、細胞周期、代謝などに違いが⽣じることがあります。このような違いを調べることは、(がんの発⽣のメカニズムなどの)多くの⽣物学的プロセスをより深く理解するための鍵になります。 しかしながら、多数の細胞の中より、単一の細胞を識別して分析することには手間のかかる作業を伴います。シングルセルアレイ用マイクロパターンスライドは、一定間隔で単一細胞を配置することができるため、シングルセルを簡便に識別するための新たなツールとして活躍します。
- 正確なシングルセル分析 – トランスフェクション、プロテオミクス、代謝活性などの評価に対応し、顕微鏡観察による高精度な読み出しが可能
- シングルセルポジショニング – 個々の細胞を制御下で培養・配置でき、精密なイメージングや解析に適しています。
- シングルセル変異アッセイ – CAR-T細胞活性アッセイなどのアプリケーションに最適
- ライブセルおよび蛍光イメージング – ライブセルおよび固定細胞の両方における高解像度の長期観察や蛍光顕微鏡観察に最適化
- 免疫蛍光染色 – タンパク質の詳細な局在解析や細胞内シグナル伝達の研究を促進
A549細胞。
ラミニンでコーテイングされたマイクロパターン上に播種。播種2時間後撮影。
(左)視野全体(右)拡大図
スライド:µ-Slide VI 0.4(ib83611)
顕微鏡:位相差顕微鏡、対物レンズ :×4
スケールバー:それぞれ500 µmおよび200 µm。
eGFP発現Huh 7細胞。
ラミニンでコーティングされたマイクロパターン上に播種。播種後2時間後に撮影。
(左)視野全体(右)拡大図
スライド:µ-Slide 8 Well high(ib83811)
顕微鏡:蛍光顕微鏡、対物レンズ:×4
スケールバー:それぞれ200 µmと100 µm
価格情報
CatNo. | 製品名 | 単位 | 価格(税抜き) |
---|---|---|---|
ib83611![]() |
シングルセルアレイ用マイクロパターンスライド ibiTreat (µ-Slide VI 0.4) | 10枚 | ¥148,200 |
ib83811![]() |
シングルセルアレイ用マイクロパターンスライド ibiTreat (µ-Slide 8 Well high) | 10枚 | ¥148,200 |
※価格は2025年5月現在のものです。
【新製品】マルチセルアレイ用マイクロパターンスライドibiTreat
パターンサイズ:500 μm、ピッチ1000 μm

- 開封して細胞を播種するだけでパターンに添った細胞アレイを可能にします。
- スフェロイドやオルガノイドの作成/アレイに理想的なサイズで接着パターンをデザイン
- ライブセルおよび蛍光イメージング – ライブセルおよび固定細胞の両方における高解像度の長期観察や蛍光顕微鏡観察に最適化
- 底面は高倍率顕微鏡観察に適合可能なibidiポリマーカバースリップ製(厚さ:180 µm +10/–5 µm)
- 接着用パターンは良好な細胞接着力が得られるibiTreatタイプ
- ibiTreatしたパターンは、タンパク等を用いた表面コーティングすることができ、実験目的に応じた接着パターン素材に調整可能
- µ-Slide VI 0.4タイプの細胞播種する部分(チャネル)にはチューブを接続するためのルアーコネクターが備わっているため、ibidiポンプ等に接続することも可能
アプリケーション
ibidiマルチセルアレイ用マイクロパターンスライドに懸濁した細胞を播種すると、狭い接着領域に細胞が凝集するため、スフェロイド/オルガノイドを作製できます。また、このスライドは、あらかじめ作成したスフェロイドをパターン上に接着させることでスフェロイドを等間隔にアレイすることにも使用できます。凝集しにくい細胞を直接播種した場合には、細胞は2次元に展開し、等間隔に単層培養された細胞バッチを作成することができます。
- スフェロイド、オルガノイド、胚様体、および幹細胞などを含む、3次元細胞凝集体の培養、およびその灌流培養(灌流培養はµ-Slide VI 0.4タイプ)
- 2次元培養(モノレイヤー)された細胞パッチ(細胞群ドット)作成
- 上記のライブセルイメージングや免疫蛍光染色等
■スフェロイドアプリケーション
成体由来幹細胞から作製した肝オルガノイド。Collagen Iでコーティングしたマイクロパターン上で培養。播種24時間後にCollagen Iゲルでオーバーレイし、さらに24時間培養。
スライド:µ-Slide VI 0.4(ib83613)
緑:F-アクチン(Phalloidin)
マゼンタ:核(DAPI)
顕微鏡:広視野蛍光顕微鏡(EVOS M7000)、対物レンズ:×10
成体由来幹細胞から作製したオルガノイド。Collagen Iでコーテイングしたマイクロパターン上で培養。播種後24時間でCollagen Iゲルでオーバーレイし、さらに24時間培養。
スライド:µ-Slide 8 Well high(ib83813)
灰色:核(DAPI)
マゼンタ:F-アクチン(Phalloidin)
黄色:ZO-1(免疫染色)
シアン:MYH9(免疫染色)
顕微鏡:共焦点レーザー走査型顕微鏡(Olympus FV3000)、対物レンズ:×20、Zスタックを取得し、最大値投影による合成蛍光画像として表示
価格情報
CatNo. | 製品名 | 単位 | 価格(税抜き) |
---|---|---|---|
ib83613![]() |
マルチセルアレイ用マイクロパターンスライド ibiTreat (µ-Slide VI 0.4) | 10枚 | ¥148,200 |
ib83813![]() |
マルチセルアレイ用マイクロパターンスライド ibiTreat (µ-Slide 8 Well high) | 10枚 | ¥148,200 |
※価格は2025年5月現在のものです。
サンプルのご依頼
製品サンプルのご依頼は、下記フォームより受け付けております。お気軽にお申し込みください。
この記事でご紹介した製品
より詳しい仕様・資料などは下記リンクより製品詳細ページをご覧ください。
- シングルセルアレイ用マイクロパターンスライド ibiTreat (µ-Slide VI 0.4)
- シングルセルアレイ用マイクロパターンスライド ibiTreat (µ-Slide 8 Well high)
- マルチセルアレイ用マイクロパターンスライド ibiTreat (µ-Slide VI 0.4)
- マルチセルアレイ用マイクロパターンスライド ibiTreat (µ-Slide 8 Well high)