- ジェノスタッフ株式会社とは?:ISH(in situ Hybridization)、免疫組織染色を始めとした遺伝子機能解析に関する研究受託会社
- ISHにおいては4,000遺伝子以上の解析に成功しており、また、1,000種類以上の抗体の免疫染色の受託経験をもつ、高い技術力をもった会社
- 動物の解剖、固定、薄切、染色など一連の作業をすべて自社で実施
- その豊富で貴重な経験と知識を生かして、同社の野口社長が、自社のホームページで発信されているコラムを、特別な許可をいただき転載しております。
- 時に辛口で、時に生々しい野口社長のコラムをお楽しみください。
最近、細胞培養の技術や方法も多種多様になってきました。
当社にも細胞を染色したいという依頼が、ここ数年で何倍にも増えていますが、その中の一つ、下記写真のセルカルチャー インサートを用いて培養した3D培養細胞の解析方法について今回はお話ししたいと思います。
セルカルチャー インサートはご存じのとおり色々なメーカーが販売していて、様々な材質や特性のメンブレンを足場にして細胞培養するのですが、それを縦方向、つまり厚さ方向に切って、切片にして免疫染色やISHまで行うことができます。
上から透過型電子顕微鏡などで解析するのは一般的ですが、切ることで横から、つまり厚さ方向でみると、これまた面白い見え方になります。
PCやPSなどが材質のメンブレンごと切れるの?など、意外と知らない方も多いのですが、ウェルからカップを取り出し、細胞ごと丁寧に切りだして、殆どのメンブレンが付いた状態で、パラフィンブロックからパラフィン切片にすることができます。
各種細胞サンプルをパラフィン切片にする時の手順表を下記に纏めてみました。
下記表で「シート状」と記載しているのがセルカルチャーインサートです。
各種細胞サンプルをパラフィン標本にする手順
ポイントは、
・切り出した細胞が付いているメンブレンを、キムワイプやろ紙、和紙などで丁寧にこすれないように包んであげて、包埋用カセットに入れます。この作業を行わないとパラフィン包埋時にメンブレンが丸まったり、細胞がバラバラになります。
詳しくお知りになりたい方はこちらの参考本をご覧ください。
【実験医学別冊 細胞・組織染色の達人】
・パラフィン包埋時は、加圧などが掛らない装置がお奨めです、細胞がバラバラになる危険性が高くなります。(ちなみに当社のパラフィン包埋装置CT-Pro20は細胞包埋に最適です)
・綺麗な切片を作製するにあたり、ミクロトームは刃の入り方が良い滑走式タイプがお奨めです。(ロータリータイプの刃は、押し切りになり、切り難い場合があります)
その染色一例を載せました。
セルカルチャー インサートで培養した細胞染色例
HE染色-塞翁:マウス ES細胞
HE染色-組織:支給上皮細胞+スフェロイド細胞の共培養
ヒト3Dモデル培養細胞のISH
9月20日掲載分