第九十一回 AIに問いたいエネルギー問題

東大名誉教授・塩田邦郎先生コラム「エピジェネティクスの交差点」
塩田 邦郎 先生のご紹介

塩田 邦郎(しおた・くにお)
東京大学名誉教授
1950年鹿児島県生まれ。博士(農学)。79年東京大学大学院農学系研究科獣医学専攻博士課程修了後、武田薬品工業中央研究所、87年より東京大学農学生命科学研究科獣医学専攻生理学および同応用動物科学専攻細胞生化学助教授、98年より同細胞生化学教授。
2016年早稲田大学理工学研究院総合研究所上級研究員。哺乳類の基礎研究に長く携わり、専門分野のエピジェネティクスを中心に、生命科学の基礎研究と産業応用に向けた実学研究に力を注ぐ。2018年より本サイトにて、大学や企業での経験を交え、ジェネティクスとエピジェネティクスに関連した話題のコラムを綴っている。

第九十一回 AIに問いたいエネルギー問題

 我が街にも巨大なビルの建設が始まった。近郊の梨畑に、人工知能(AI)のためのデータセンターが建設されつつあるのだ。「住宅地のそばに高さ70メートル・幅数百メートルの建設計画」と、各地でも同様なデータセンター建設のニュースで賑わっている。総務省の令和7年版情報通信白書によると、国内の市場規模は2023年の2兆7361億円から、2028年には5兆812億円に達すると見込まれているという。大量の情報を処理するデータセンターの需要は右肩上がりだ。

 一般のビルとは異なり、この巨大ビルであるデータセンターには窓がない。AIの進化に伴い、新たなデータセンターには消費電力の大きい画像処理装置を用いたサーバーが多数設置されるようになり、結果として大量の電気を消費する。社会を支える情報産業の側面である。

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