【製品性能評価】新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抽出評価試験

日本ジェネティクスのテクニカルノートとは?

発売したばかりの新製品の性能評価や、既存製品の最適な条件を追求するための条件検討をすることでお客様に心からご納得頂いた上で商品をお使い頂けるよう、様々な評価試験を行っています。
採用前の検討資料として、または採用後の最適条件検討資料としてご活用ください。
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テクニカルノート2020<06>
評価製品:High Pure Viral Nucleic Acid Kit
     (ロシュ・ダイアグノスティックス, Cat.No.11858874001)
     Ribospin vRD II
     (GeneAll, Cat.No.322-150)

目的

Roche High Pure Viral Nucleic Acid KitとGeneAll Ribospin vRD IIを用いて、Preservative Fluidsからの新型コロナウイルスの抽出とqPCRによる検出を行った。

下記のデータは、ジェネシスヘルスケア株式会社 様のご厚意により掲載させて頂きました。

実験手順

ロシュ・ダイアグノスティックス
High Pure Viral Nucleic Acid Kit
GeneAll
Ribospin™ vRD II
2.5 mLのBinding Bufferに
PolyAを50 μL添加し
よく混合して、
Working Solutionを作成する
600 μLのBuffer NYLに
PolyAを14 μL添加し
よく混合する
スワブ検体 200 μLに
Working Solution(※)200 μL
Proteinase K solutionを50 μL
加えて速やかに混合し
72℃で10 分インキュベート
スワブ検体 200 μLを加えて
10 secボルテックスし
室温で10 分インキュベート
100 μLのBinding Bufferを
加えて混ぜる
350 μLのBuffer RB1を
加えて10 secボルテックス
High Pure Filter Tubeを
回収用チューブに挿入して、
サンプルを
High Pure Filter Tubeに移して8000×gで1 min 遠心
High Pure Filter Tubeを
回収用チューブから取り出して、回収用チューブと排出液を廃棄
カラムを
チューブに挿入して、
サンプルを
カラムに移して
10000×gで30 sec遠心
カラムを
チューブから取り出して、
排出液を廃棄
High Pure Filter Tubeを
新しい回収用チューブに挿入し、
500 μLの
Inhibitor Removal Bufferを加えて
8000×gで1 min 遠心
High Pure Filter Tubeを
回収用チューブから取り出して、回収用チューブと排出液を廃棄
カラムを
元のチューブに挿入し、
500 μLの
Buffer RBWを加えて
10000×gで30 sec遠心
High Pure Filter Tubeを
回収用チューブから取り出して、回収用チューブと排出液を廃棄
High Pure Filter Tubeを
新しい回収用チューブに挿入し、
450 μLのWash Bufferを加えて
8000×gで1 min 遠心
High Pure Filter Tubeを
回収用チューブから取り出して、
回収用チューブと排出液を廃棄
カラムを
元のチューブに挿入し、
最大スピード(約13000×g)で
1 min 遠心
カラムを
チューブから取り出して、
チューブと排出液を廃棄
High Pure Filter Tubeを
新しい回収用チューブに挿入し、
450 μLのWash Bufferを加えて
8000×gで1 min 遠心
最大スピード(約13000×g)で
10 sec遠心
High Pure Filter Tubeを
回収用チューブから取り出して、
回収用チューブと排出液を廃棄
カラムを
新しい1.5 mLチューブに挿入し、
50 μLのElution Bufferを加えて
1 min 放置し、
室温10000×gで1 min 遠心
High Pure Filter Tubeを
新しいヌクレアーゼフリーの
1.5 mL 反応チューブに挿入して、
50 μLのElution Bufferを加えて
8000×gで1 min 遠心
   

実験条件

  • 陽性コントロール:
    200 μLのPreservative Fluidsへ5×104濃度の陽性コントロール(国立感染症研究所より提供)を5 μL 添加
    最終的にqPCRにおいて104/ 反応相当
  • 陽性検体:
    陽性判定されたPreservative Fluidsで4℃保存されたもの(陽性保管検体)を使用
    トータル2 mLの陽性保管検体から200 μLを採り、検体を含まないPreservative Fluids溶液で3倍希釈し、希釈液から200 μLを使用
  • 溶出量: 50 μL
  • リアルタイムPCR装置:qTOWER³(analytikjena Cat.No. 844-00553-2)
  • 使用プレート:LightCycler® 480 Multiwell Plate 384 white(Roche Cat.No. 04729749001)
  • qPCR反応試薬:One Step PrimeScript™ III RT-qPCR Mix(Takara Cat.No. RR600A)n=2
  • qPCR反応組成:
     2×Master mix         6.25 μL
     Forward primer(10 μM)  0.5   μL
     Reverse primer(10 μM)  0.7   μL
     TaqMan probe(5 μM)   0.2   μL
     DW            2.85 μL
     Template RNA        2.0   μL 
     Total           10.5   μL

結果

N2セットにおけるリアルタイムPCR波形

抽出キット High Pure Viral NA Kit GeneAll Ribospin vRD II
ターゲット N2 N2
陽性検体(Ct) 29.26 29.36 29.33 29.61
陽性コントロール(Ct) 30.79 30.73 30.01 30.40
 
まとめ
N2セットにて評価したところ、High Pure Viral Nucleic Acid Kit(ロシュ・ダイアグノスティックス社)と Ribospin vRD II(GeneAll 社)は同等の検出結果が得られた。

グアジニンベースのウィルスの不活化及びRNA等の核酸安定保存が可能な輸送・保存用試薬

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