【お客様事例】無菌性腹膜炎モデルマウスの腹腔細胞から抽出した RNAを用いた逆転写酵素反応の比較検討

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アプリケーションノート 2018<07>
製品名:FastGene™Scriptase Ⅱ(NE-LS53, NE-LS63) 
メーカー名:日本ジェネティクス株式会社

下記のデータは、東京大学のお客様のご厚意により掲載させていただきました。

はじめに

以前から、従来のキット(T 社)を使用して逆転写酵素反応を行ってきましたが、コストダウンと逆転写反応の正確性を高めるため、当製品の使
用を検討致しました。
無菌性腹膜炎モデルマウスの腹膜細胞から抽出したRNAを用いて、従来のキット(T 社)と当製品で逆転写反応を行いました。
得られたcDNAにてqPCRを行い、Ct 値を確認することでキットの性能を比較しました。

検討方法

<マウス実験ワークフロー>
同様の条件で実験を行う計2匹で検討

<RNA抽出>
TRIzol® を使用してRNA 抽出を行う。
DNase 処理:なし
RNA溶出バッファー量:100μL DEPC水
RNA測定:Thermo Fisher Scientific Nanodrop2000

<逆転写酵素反応(FastGene™ ScriptaseⅡ)
1) Oligo dT primer 1μLとテンプレートの total RNA
100ngを混合する
2) dNTP を2μL 加える
3) 計12.5μL となるように、DW(蒸留水、滅菌水)を加える
4) 65℃で5分インキュベート後、直ちに氷上にて冷却を行う
5) コンポーネントを添加する
5x FastGeneTM Scriptase II buffer 4 μL
0.1 M DTT 2 μL
RNase Inhibitor 0.5 μL
6) 42℃で2分間インキュベート
7) 氷上でRNA 懸濁液に、1μLFastGeneTM Scriptase II
を添加する
8) 42℃で50分インキュベートする
9) 70℃で15分インキュベートし酵素を完全に不活化させる

 

プロトコル

①RNA 抽出
②cDNA 合成
③PCR 反応 ‒‒‒ KAPA HiFi HS ReadyMix を使用してcDNA の増幅を行った。
④電気泳動 ‒‒‒ ゲルカッターでゲルの切り出しを行った。(結果1)
⑤ゲル抽出 ‒‒‒ FastGene™ Gel/PCR Extraction Kit を使用してゲル抽出を行った(溶出バッファー量30μL)。(※回収率を上げるために、サンプル準備の時にイソプロパノールを100μL 添加した。
⑥制限酵素処理 ‒‒‒ 制限酵素で目的の遺伝子サイズに切断した。
⑦ライゲーション ‒‒‒ ベクターpcDNA3.1 にサンプルをライゲーションした(インサートサイズは1.7kb)。
⑧大腸菌へ形質転換 ‒‒‒ 大腸菌DH5αに形質転換をし、プレート培養をした。
⑨コロニーPCR ‒‒‒ KAPA 2G Fast HotStart PCR Kit without dNTP を使用して、増幅を行った。
⑩電気泳動によるサイズ確認(インサートチェック)
⑪⑩の大腸菌培養 ‒‒‒ LB 培地3 mLで培養
⑫プラスミド精製 ‒‒‒ FastGene™ Plasmid Mini Kit を使用して、培養液2 mL を精製した。
(※溶出バッファーは50μL を使用し、回収率を上げるため50℃程度に加温した。)
⑬電気泳動によるサイズ確認(プラスミドチェック)(結果2)
⑭シーケンス ‒‒‒ ナノドロップでDNA濃度・純度を測定し、シーケンスに供した。(結果3および4)
⑮培養細胞へ遺伝子導入

結果

<結果1>
ゲルカッターによる切り出し

<結果2>
プロトコル13の電気泳動

①:② のサンプルの切断なし
②:+NheⅠ/XhoⅠ(サンプル1)
③:+NheⅠ/XhoⅠ(サンプル2)

<結果3>
DNA濃度・純度

<結果4>
シーケンス
♦サンプル1

♦サンプル2

シーケンスの結果、サンプル1は大腸菌由来ゲノム、サンプル2は遺伝子Eであることを確認した。

お客様のコメント
骨代謝という分野での研究を昨年から始めました。持ち合わせている技術を用いて研究を展開しています。
貴社の製品は経済的にも品質も優れていると思っています。

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