日本ジェネティクスのアプリケーションノートとは?
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メーカー名:ibidi社
下記のデータは、産業技術総合研究所 創薬基盤研究部門
ステムセルバイオテクノロジー研究グループ グループ長 木田 泰之 博士 、
産総研特別研究員 櫛笥 博子 博士 のご厚意により掲載させていただきました。
はじめに
in vitro における高血圧症などの血管疾患研究では生体内組織を再現することが必要です。血管はシェアストレスを受けるHUVEC(血管内皮細胞)とHPA-SMC(血管平滑筋)の複合組織であり、両細胞を組織構築させた上で灌流実験を行うことが理想です。
本実験ではibidiスライドへの接着条件の検討のため、HUVEC(血管内皮細胞)とHPA-SMC(血管平滑筋細胞)へ負荷実験を行いました。
使用条件
• 細胞名 : HUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞)(PromoCell. C-12203)
HPA-SMC(ヒト肺動脈平滑筋細胞)(PromoCell. C-12521)
• 細胞培養容器 : μ-Slide Ⅵ 0.4(ib80606)
• コーティング : ibiTreat
• 培地 : 内皮細胞増殖培地2キット(Takara Cat.No.D12024)
• 灌流培養システム : ibidiポンプシステム(ibidi 社)
平滑筋細胞増殖培地2キット(Takara Cat.No.D12027)
• シェアストレス設定 :
2dyn/cm² 30min→5dyn/cm² 30min→5dyn/cm² 24hr:HUVEC
2dyn/cm² 30min→5dyn/cm² 30min→10dyn/cm² 1hr→20dyn/cm² 24hr:HPA-SMC
• 観察機器 : EVOS Cell Imaging System(ThermoFisher Scientific)
<ibidiポンプシステムの概略図>
例1:インキュベーター内で灌流培養した後で顕微鏡観察
例2:灌流培養しながら顕微鏡観察
アッセイプロトコル
1) 2枚のibidi社チャンネルスライドチャンバーμ-Slide I Luer 0.4を1mg/ml のファイブロネクチンでコート(室温30分)PBSで洗浄後、HUVECをそれぞれ最終密度1×105 cells/cm²になるよう播種
2) CO2インキュベーター内でオーバーナイトで静置して細胞を接着
3) 培地の交換後、チャンネルスライド1枚はそのまま静置培養を継続し、もう一方はibidiポンプシステムを用いてシェアストレス条件下で灌流培養
4) 「静置培養」および「灌流培養」それぞれ細胞形態を比較
結果
24時間後の結果
• 50%confluencyのHPA-SMCは、 20dynの負荷においても ibidiスライドから剥がれることなく、シェアストレスに反応して細胞が生育しました。
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この度は実験系のセットアップから助言いただき、誠に感謝しております。