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sterilized(ib80826)
メーカー名:ibidi社
このアプリケーションノートは、京都大学ウイルス研究所 分子遺伝学研究分野 呉 成旭 様のご厚意により掲載させていただきました。ここに深く感謝申し上げます。
実験概要
細胞はウイルスに感染すると、インターフェロン(IFN)という抗ウイルス性サイトカインを産生して免疫応答を始動する。本アッセイでは、HeLa 細胞にNewcastle disease virus(NDV)を感染させ、NDVヌクレオキャプシドタンパク質(NP)とI 型IFN(IFN-β)mRNA の発現を免疫染色法とRNA-FISH 法によってそれぞれ検出した。
また、ibidi μ-Slide 8well コーティング ibiTreatを用いて、蛍光検出したサンプルを保存できるかどうか確認するため、およそ半年間室温で遮光保存し、再度観察を行い、RNA-FISHと免疫蛍光染色したサンプルの保存状態を確認した。
<カバーグラスによる封入のイメージ> <1ウェルを横から見た図>
実験材料
細胞 :HeLa細胞(ヒト子宮頸がん由来上皮細胞)
培地 :DMEM(ナカライテスク #08459-35) + 10% FBS
+ 1% ペニシリン-ストレプトマイシン混合溶液(ナカライテスク #26253-84)
培養容器 :ibidi μ-slide 8 well, ibiTreat: #1.5 polymer coverslip, tissue culture treated, sterilized (ibidi #80826)
FISHキット :ViewRNA ISH Cell Kit(Affymetrix #QVC0001)
FISHプローブ :interferon, beta 1, fibroblast(Affymetrix #VA4-15818)
抗体 :(一次抗体)Anti-NDV-N mouse monoclonal IgG(広島大学坂口先生より供与)
(二次抗体)AlexaFluor 488 Donkey anti-Mouse IgG (H+L) (Life Technologies#A-21202)
封入剤 :Fluoromount-G(SouternBiotech #0100-01)
カバーガラス : MICRO COVER GLASS 9×9(松浪硝子 特注)
顕微鏡 :レーザー共焦点顕微鏡 TCS-SP8(ライカマイクロシステムズ)
染色後の保存条件:室温・遮光保存
アッセイプロトコール
1. HeLa 細胞を2.5×104 cells/well で播種し(培地量は250 μL/well)、NDV を12 時間感染させた。
2. 4% PFA で細胞を固定し、ViewRNA ISH Cell Kit を用いてRNA-FISH を行った(キット添付マニュアル参照)。
3. RNA-FISH 後のサンプルを0.5% BSA/PBS-T でブロッキングし、NDV-NP に対する免疫染色を行った(一次抗体反応:4℃一晩、二次抗体反応:室温1 時間)。
4. DAPI 染色後、細胞を封入し、共焦点顕微鏡にてサンプルを観察した。
結果
Merge とZoom を拡大した写真は下記である。
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また、約半年後のサンプルでも蛍光強度は変わらず保持されており、保存状態は良好であった。