【お客様事例】マウスリンパ節から抽出したRNAを用いた逆転写酵素反応の比較検討

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アプリケーションノート 2018<15>
製品名:FastGene™ ScriptaseⅡ cDNA 合成キット(NE-LS63S)
メーカー名:日本ジェネティクス株式会社

下記のデータは、近畿大学 理工学部 生命科学科 免疫分子機能研究室 早坂 晴子様のご厚意により掲載させて頂きました。

概要

当研究室では、マウスリンパ節由来RNAからの逆転写反応により、全長cDNAのクローニングを行ってきました。
既存のキット(T 社)では、比較的短いサイズのcDNAが優先的に合成されるため、目的遺伝子(390bp)のシグナルを検出できませんでした。
FastGene™ ScriptaseⅡでは、目的遺伝子のシグナルを検出でき、結果が改善できました。

実験方法

サンプル:マウス1匹よりリンパ節(鼠径、腸間膜)を摘出
Qiagen :RNeasy Mini Kit で total RNAを精製   

マウスからリンパ節(鼠経、腸間膜)を摘出する。
サンプル量:23 mg

 

FastGene™ ScriptaseⅡ cDNA 合成キット(NE-LS63S)

RNAのインプット量:1μg
 sample RNA      8 μL
 oligo dT primer  1 μL
 randam hexamer 1 μL
 dNTP       2 μL
 H2O                  0.5 μL
   
    ⇓ 65℃  5min

コンポーネントの追加
 5x FastGene™ ScriptaseⅡ buffer 4 μL
 0.1 M DTT            2 μL
 RNase Inhibitor         0.5 μL

    ⇓ 42℃  2min

氷上でRNA 懸濁液に、FastGene™ ScriptaseⅡを 1μL 添加する
    ⇓ 42℃  50min
              ⇓  72℃ 15 分間 インキュベート
  
    4℃で保管

FastGene™ ScriptaseⅡ(CatNo.NE-LS63)3S)

・少量のRNAから、cDNAを合成できる
・低活性RNaseH のため、より長いcDNAを得ることができる

これ以外にも、RT-qPCRやNGSなど様々なアプリケーションでご使用になれます。
qPCRでの使用に便利な MasterMix(5X)タイプ(CatNo.NE-LS64)もございます。

 

  ⇓
KAPA2G Robust にて PCR

●PCRプログラム
 Initial denaturation 98℃ 2min
 Denaturation     95℃ 15sec
 Annealing               57℃ 30sec     ×35 cycles
 Extension               68℃ 2min

KAPA2G Robust(CatNo.KK5004)
 ・テンプレートの精製具合に影響を受けにくくPCR阻害物質に耐性を持っている
 ・独自の酵素安定化剤により、凍結融解の影響が非常に少ない
  電気泳動に便利なwith dye のタイプもあります。(CatNo.KK5706)

 

  ⇓
   電気泳動

●電気泳動条件
 電気泳動装置     :Mupid-exU(ADV EXU-1 )
 核酸染色試薬     :RedSafe( INB-21141 )
 泳動buffer        :TBE buffer
 アガロースゲルの濃度 : 2 %
 電圧と泳動時間    : 100 V / 30 min

結果

← 390bp
 目的遺伝子の明瞭なシグナルが確認できた

 

 

 

参考データ

← 390bp
 他社のRT 酵素 + oligo dT primerを用いた場合はシグナルが弱かった
  ※同時比較は行っていません

 

 

お客様のコメント
リンパ節由来のRNAを用いてRT-PCRを行った結果、目的遺伝子(他の逆転写試薬を用いた逆転写反応ではPCR増幅が不安定であった遺伝子)の発現を検出できました。
また、全長cDNAも電気移動でバンドを確認することが出来ました。
キットとしては良い製品だと思います。

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