日本ジェネティクスのアプリケーションノートとは?
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アプリケーションノート 2019<07> 製品名:FastGene™ Q-stain(NE-FG-QS1) メーカー名:日本ジェネティクス株式会社 |
下記データは、鈴鹿医療科学大学保健衛生学部リハビリテーション学科理学療法学専攻 笹井 宣昌様のご厚意により掲載させていただきました。
特長 |
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Q-stainは、脱色を必要とせずにPAGEゲル中のタンパク質染色に使用することができる、タンパク質染色試薬である。
本アプリケーションノートでは、Q-stain試薬の染色方法最適化を行うために、トリ胚・骨格筋由来初代筋管細胞の全タンパク質抽出物を用いて、下記条件にて染色を行いその見え方を比較した。
〈比較条件〉
① 試薬使用量:5 mL および25 mL(メーカー推奨量は25 mL)
② 染色時間:10分、20分および30分
染色時間 | 試薬使用量比較 | ||
10 min | |||
20 min | |||
30 min | 脱色 なし |
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脱色 あり |
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●Q-stain 5 mLでは、25 mLよりやや染色が薄い。
⇨Q-stainはマニュアル記載の推奨量(1ゲルあたり25 mL)を使用したほうが染色能が良い。
⇨十分な感度が欲しい場合は推奨量を使用してください。
●Q-stain 5 mLと25 mLで生じる染色能の差は、全タンパク質抽出物量が少ないときに顕著である。
●一方、全タンパク質抽出物量が増えるにつれてこの差は感じられなくなる(1レーンと4レーンを比較)。
⇨検出ターゲットとなるタンパク量が多い場合は、Q-stain使用量を減らして使用してもほぼ影響なく検出が可能である。
●Q-stain 5 mLで染色を行った場合、染色時間20分では25 mLと比較して染色が薄いにもかかわらず、染色時間20分と30分の間にわずかしか染色度合いの増加がみられない。
⇨十分な感度を得たい場合、「Q-stain使用量を減らし、染色時間を長くして同程度の感度を得ること」は困難であり、Q-stain推奨量を守って使用する方が効率的に染色できることを示唆している。
●DW洗浄によりバックが低減して、バンドが見えやすくなった。
⇨より鮮明な画像を取得したい場合、脱色を行うことが効果的である。
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泳動の後にゲルを2等分した。
↓
2等分したゲル1片をQ-stain 5 mL、もう1片を25 mLで染色した。
(使用容器:アズワン, #1-4698-06-99)
↓
染色時間10分で撮影した。
↓
染色時間20分で撮影した。
↓
染色時間30分で撮影した。
↓
脱色10分後で撮影した。〈脱色条件〉溶媒DW30-40 mL中で振盪した(5分×2回)。
〈泳動サンプル〉
トリ胚・骨格筋由来初代筋管細胞の全タンパク質抽出物
タンパク質サイズマーカー(Bio-Rad, #1610374), 4 μL使用
〈電気泳動〉
泳動装置:コンパクトPAGE Ace Twin 6×6 cm( アト―, #WSE-1025)
ポリアクリルアミドゲル:コンパクトPAGE Ace Twin / 15 検体,5 ~ 20%(アト―, #CHR520L)
泳動条件:高速モード12分
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- 製品情報詳細ページ: タンパク染色試薬 FastGene™ Q-stain
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前処理や加熱処理なく、短時間で染色できます。
また染色性も良好で、DW 洗浄によるバックの抜けもよいです。
泳動するタンパク量やゲルサイズ(解像度)を工夫すれば、より明瞭なバンドを簡便・短時間で得られそうです。染色液量については、容器サイズ(本実験ではスチロール容器110 mm×80 mm×33 mmを使用)やゲルサイズ(本実験では6 cm×3 cm、ゲル厚0.75 cmを使用)などとの兼ね合いで、さらに工夫する余地がありそうです。