【お客様事例】凍結保存したヒト歯髄幹細胞の生存率と細胞増殖における凍結保存液の影響

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アプリケーションノート 2022<10>
製品名:バンバンカーhRM(Cat.No. CS-07-001、CS-11-001)
メーカー名:株式会社 GCリンフォテック

下記のデータは、東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 歯髄生物学分野 川島 伸之 様のご厚意により掲載させていただきました。
また 本研究の実施にあたり、東京医科歯科大学 研究補助員 大西 佳代子 先生にご協力いただきました。

概要

本アプリケーションノートは、再生療法の観点から注目されているヒト歯髄幹細胞に対し、バンバンカーhRMを用いて凍結保存を行った事例になります。他社製品と比較しても、解凍後、生存率が良いなどメリットがある結果が得られました。

結果

生存率
  細胞数 生存率
バンバンカーhRM 2.97×10^5 99%
T社製品 2.61×10^5 87%

凍結解凍後の歯髄幹細胞の生存率は、他社製品では87%にとどまったのに対し、バンバンカーhRMで99%とほぼロスがみられなかった。

細胞増殖率

ヒト歯髄幹細胞の増殖活性0h(播種時)の相対OD450 値を1とした。播種後24h ~ 72hにおいて、ヒト歯髄幹細胞の増殖活性は、バンバンカーhRMと他社製品に顕著な差は認められなかった。

お客様のコメント
未分化間葉系の歯髄幹細胞は、高い増殖活性と多分化能を有し、再生療法の担い手として注目をされている。当教室においては、ヒト歯髄幹細胞を抜去歯より分離し、その特性を明らかにするとともに、再生療法への応用を検討している。今回、バンバンカーhRMにおいて、保存した歯髄幹細胞の生存率が高いことが明らかになった。凍結解凍後の増殖活性は、他社製品と同等であったが、貴重なヒト歯髄幹細胞を効率よく使用できるという点において、バンバンカーhRMは優れていると思われる。

実験方法(参照情報)

  • 使用細胞:ヒト歯髄幹細胞(PT-5025、Lonza)P3
    凍結保存液:バンバンカーhRM(日本ジェネティクス社)、T社製品
  • 凍結保存
    対数増殖期にある細胞を、0.05%トリプシンにて細胞を剥離した
     ↓
    血清を10%含む細胞培養培地(αMEM)を添加し、細胞を回収した
     ↓
    遠心後、上清を吸引除去した
     ↓
    細胞凍結保存液にて懸濁した(3×10^5/0.5 mL)
     ↓
    凍結保存バイアルに分注した(0.5 mL)
     ↓
    -80℃のフリーザーにて凍結/保存する。2週間保存した
  • 解凍・培養
    -80℃で凍結保存した細胞を、37℃ウォーターバスにて解凍した(凍結塊が少し残る程度)
     ↓
    37℃に温めた細胞培養培地(10 mL)に解凍した細胞を懸濁後遠心した
     ↓
    上清を吸引し、適当量の細胞培養培地に懸濁した
     ↓
    細胞数を測定した(Countess 3 Automated Cell Counter、Thermo)
     ↓
    残りの細胞を96wellプレートに播種した(1×10^3 cells/100 μL)
     ↓
    24、48、72hにおいて、各ウェルにおける細胞数をCCK-8アッセイ(同仁化学研究所)で吸光度(OD450)を測定した

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