日本ジェネティクスのアプリケーションノートとは?
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製品名:ibidi μ-Dish 35 mm High, ibiTreat(Cat.No.ib81156)
メーカー名:ibidi社
下記データは、筑波大学 医学医療系 宮本 崇史 様のご厚意により掲載させていただきました。
概要
本アプリケーションノートでは、ibiTreatを行ったibidiポリマーの使用感を検証するために、本素材が採用されたibidi μ-Dish 35 mm Highを、位相差顕微鏡を用いた細胞形態観察に使用し、ガラスボトムディッシュと比較検討を行いました。
その結果、播種24時間後、細胞の接着状態に差が見られ、ibidiポリマー上では、細胞が速やかに定着されることがわかりました。
次に、このibidi μ-Dish 35 mm Highを、アポトーシス誘導後の細胞観察に使用した結果、アポトーシス誘導に伴う細胞形態変化が明瞭に観察できました。
背景
ibidiポリマーに対して行う親水性表面加工のこと。プラスティック製培養ディッシュ同様の細胞接着力が得られる。
培養ディッシュの多くは、ポリスチレンを素材としています。このポリスチレンは、元来、疎水性が高く、細胞が接着しにくい素材です。このため、接着性細胞の培養に用いられるディッシュの多くは、ポリスチレンに対し、親水性表面加工を施すことで細胞が接着できるようにしています。
ibidiで採用されている素材「ibidiポリマー」も、疎水性の高いibidiポリマーに対し、親水性表面加工を施し、細胞接着力を高めています。この加工をibidi 独自の技術として「ibiTreat」と言います。
ibiTreatは、ibidiポリマーが持つ、顕微鏡観察に適した、ガラスと同等の光学特性を損なうことなく、細胞の接着力を高めることが出来ます。
このため、ibiTreatした表面上では、コーティング不要で十分な細胞接着力が得られる上に、しっかりと接着した状態の細胞を高解像度で観察することが出来ます。
使用機器
顕微鏡観察用ディッシュ:
ibidi μ-Dish 35 mm High, ibiTreat(Cat.No. ib81156)
<比較対象>M社製ガラスボトムディッシュ
顕微鏡:Nikon倒立顕微鏡Eclipse Ts2R
対物レンズ:
Nikon CFI Plan Fluor DL 4xF
Nikon CFI S Plan Fluor ELWD ADM 20xC
細胞:Hela 細胞
培養液組成:
DMEM(Thermo Fisher, 11965118)
FBS(Thermo Fisher, 10270-106, lot 42Q9180K)、終濃度10%
Zell Shield(Minerva Biolabs GmbH, 13-0050)、終濃度1%
手 順
接着性検証実験
1. Hela 細胞を2×104 cells/dishとなるように播種した。
2. 24時間後および72時間後、細胞の明視野観察を行い、撮影を行った。
STSによるアポトーシス誘導実験結果
1. Hela 細胞を2×105 cells/dishとなるように播種した。
2. 24時間後にDMSOまたはStaurosporine(STS, MERCK, 569396-100UGCN,
終濃度1 μM)を培地に添加し、6 時間静置した。
3. 1 mLのPBSで1回洗浄した後、4% PFA(Wako, 163-20145)で室温、10分処理し、
細胞を固定。その後、1 mLのPBSで2回洗浄した。
4. 明視野顕微鏡観察を行った。対物レンズはx4, x20で撮影を行った。
結果
結果1-1:播種後24時間における細胞接着性の検証
結果1-2:細胞状態の継時変化
結果2:STSによるアポトーシス誘導実験結果
結論
ibiTreatを行ったibidiポリマー上では、①ガラスボトムディッシュと比較して細胞の定着が早く、かつ②明瞭な明視野観察ができることがわかった。このことは、ibiTreatを行ったibidiポリマー表面の細胞形態観察における有用性を示しており、播種後短い時間で形態観察したい場合や、ガラスでは接着力が十分に得られにくい細胞の形態観察する場合に、よりその効果を発揮することが期待される。
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株式会社ニコンソリューションズ バイオサイエンス営業本部
TEL(フリーダイヤル):0120-586-617 E-mail:Nsl-bio.Marketing@nikon.com
製品紹介ページ:https://www.microscope.healthcare.nikon.com/ja_JP
- こちらのアプリケーションノートのPDFダウンロード : こちら
- 製品情報詳細ページ: ibidi μ-Dish 35 mm High, ibiTreat
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また、別実験で、蛍光観察にも使用しましたが、全体的にやや明るく映る点以外の違いは感じませんでした。
ibidiポリマー製ディッシュは、ガラスボトムディッシュと同じ感覚で使用できるディッシュだと言えると思います。