日本ジェネティクスのアプリケーションノートとは?
- 当社製品を実際にご使用頂いた、正真正銘、日本国内の研究者様による評価データ
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メーカー名:Sage Science社
下記アプリケーションノートは、国立遺伝学研究所 比較ゲノム解析研究室 のお客様のご厚意により掲載させていただきました。ここに深く感謝申し上げます。
背景
NGSの進歩によりMate PairライブラリーやPacBio RSIIのSMRTbellライブラリー等の手法が開発され、ゲノムの de novo シークエンスや構造変異の解析のための長鎖ライブラリー解析が可能となった。しかし、その一方で長鎖DNAの調製は課題が多く、効果的なライブラリー作製方法の開発が望まれている。
今回、Sage Science 社より発売されたマルチ・フラクショネーション装置SageELF™を用いて、長鎖DNAサイズセレクションを行い、SageELF™の特長と性能の評価を行った。
実験手順
■サンプルDNA
生物種 :大腸菌
ゲノム抽出方法:キアゲン社Genomic Tip 20GとBuffer setを使用
■ゲノムDNA断片化条件(目標:10kb)
コバリスg-TUBEでシェアリング
遠心機:エッペンドルフ5424
DNA 8000ng/150μLを6000rpm, 2min 遠心
■SageELF™サイズセレクション条件
サンプル泳動量 :100ng/30μL , 5000ng/30μL
ゲルカセット :0.75%ゲルカセット 1-18kb v2
抽出条件 :size baseモード
well No.5をTarget elution wellに設定
Target Valueを10kbとした
<ワークフロー>
約10kbにシェアリングしたサンプル
ゲノム抽出
↓
g-TUBEによるゲノム断片化
↓
SageELF™で分離回収
サンプル泳動量: 5000ng/30μL
107ng/30μL
↓
AMPureで精製し、TEに懸濁
↓
Bioanalyzerで分画サイズの測定
Qubit dsDNA HS kitでDNA濃度測定
<SageELF™におけるフラクショネーション>
DNAを分離
アガロースゲルカセット内でDNAを分離します。
目的の断片を回収します。
メンブレンで仕切られた12列のウェルにDNA断片を電気的に溶出します。
溶出されたDNA断片はピペッティングで回収します。
結果
【DNA断片化結果】
断片化後の大腸菌ゲノム(SageELF™で切り出す前) Pippin Pulse
シェアリングした大腸菌ゲノムをPippin Pulseで泳動
大腸菌DNAは250ng/well でアプライ
1kb Ext.Ladderは200ng/well
8-48kb Ladderは200ng/well
■泳動条件
0.75% Seakem Gold Agarose gel
0.5xTBE buffer、16hr泳動
10k-48kbを分離するプログラム使用
【SageELF™での結果】
上記のシェアリング後のサンプル5000ng分および107ng分を同じ設定でそれぞれELFで分離し回収した。
SageELF™は、No.5のwellを10kbに設定し、サンプルを5000ng/30μL、107ng/30μLにあわせ、アプライした。
泳動終了後、すべてのwellを回収し、AMPureで精製した後、14μL(インプット5000ng)、10μL(インプット107ng)のTEに懸濁した。
■5000ngの結果
※ DNA濃度
Qubit dsDNA HS kitで測定
* No.5のwellを10kbに設定
【回収量の比較】
5000ngの場合 | |
---|---|
Start DNA | 5000ng |
Recovered DNA | 1952.64ng |
Recovery ratio | 39.053% |
■107ngの結果
※ DNA濃度
Qubit dsDNA HS kitで測定
* No.5のwellを10kbに設定
【回収量の比較】
107ngの場合 | |
---|---|
Start DNA | 107ng |
Recovered DNA | 41.806ng |
Recovery ratio | 38.89% |
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この装置を使用することでマルチ・フラクショネーションが自動化されMate PairやIso-sequence解析用のライブラリが、より簡単に作成できるようになると思います。