【製品性能評価】FAS-Digi Compactの性能評価

日本ジェネティクスのテクニカルノートとは?

発売したばかりの新製品の性能評価や、既存製品の最適な条件を追求するための条件検討をすることでお客様に心からご納得頂いた上で商品をお使い頂けるよう、様々な評価試験を行っています。
採用前の検討資料として、または採用後の最適条件検討資料としてご活用ください。
また、当データに関するご質問はお気軽にページ下部のフォームよりお問い合わせください。


テクニカルノート2021<04>
評価製品:
FAS-Digi Compact(日本ジェネティクス株式会社, Cat.No. GP-08LED)

製品について詳しく見る

目的

FAS-Digi Compactの性能について、FAS-VおよびFAS-Digi PROと比較し検証する。

評価方法

電気泳動後のアガロースゲルをそれぞれの撮影装置で撮影し、取得した画像について比較を行った。核酸染色試薬は、Midori Green XtraMidori Green AdvanceMidori Green Directおよびエチジウムブロマイド(EtBr)を用いた。

実験方法

  1. 2%アガロースゲルを作製
    ・Midori Green Xtra 先染め(100 mLのゲルに対し4 μL)
    ・Midori Green Advance 先染め(100 mLのゲルに対し6 μL) 
  2. DNAサンプルをゲルにアプライ
    ・Midori Green Directはサンプルと混ぜてアプライ
     DNAとMidori Green Directは5:1の比率で混合
     ※DNA量が0.125 μgの場合は、 Loading Dyeで4倍希釈したMidori Green Directを使用
  3. 電気泳動
    後染めの場合は、電気泳動終了後、30分間染色する
    ・Midori Green Xtra(100 mLのバッファー中に10 μL) 
    ・Midori Green Advance(100 mLのバッファー中に20 μL)
    ・EtBr Solution(0.5 μg/mL)
  4. ゲル撮影装置にて、画像を取得する
    ※3つの機種での比較検証のため、同一の撮影条件で画像取得を行う
試薬および機器

製品仕様比較

  FAS-V
(Cat.No. FAS5)
FAS-Digi PRO
(Cat.No. GP-07LED)
FAS-Digi Compact
(Cat.No. GP-08LED)
  FAS5 FAS-Digi PRO
照明 励起光波長 ~490 nm 470~520 nm 470~520 nm
撮影有効スペース 26×21 cm 26×21 cm 26×21 cm
カメラ 名称 高感度モノクロ
CCDカメラ
Canon 250D
(日本名称:EOS Kiss X10)
Canon 250D
(日本名称:EOS Kiss X10)
レンズ 12.5-75 mm, F/1.2 18-55 mm, F/4-5.6 18-55 mm, F/4-5.6
イメージセンサー モノクロCCD APS-CサイズのCMOSセンサー APS-CサイズのCMOSセンサー
出力形式 12 ビット モノクロ 8 ビット 8 ビット
フィルター LP 580 nm LP 550 nm LP 550 nm
ファイル 保存形式 TIFF/JPEG/
BMP/PNG
JPEG/TIFF JPEG/RAW CR3
画素数 1600×1200 pixcels
(2 Mpixcels)
6000×4000 pixcels
(24 Mpixcels)
6000×4000 pixcels
(24 Mpixcels)

※Digital Photo Professionalで編集可能。TIFF形式の保存可

 

画像比較

 ①Midori Green Xtra(先染め)

(撮影条件)
F=8, Exposure 2.0 sec,
Gain=0, Gamma=1.0


(撮影条件)
F=8, Exposure 2.0 sec,
ISO=100


(撮影条件)
F=8, Exposure 2.0 sec,
ISO=100

 ②Midori Green Xtra(後染め)


(撮影条件)
F=8, Exposure 0.8 sec,
Gain=0, Gamma=1.0


(撮影条件)
F=8, Exposure 0.8 sec,
ISO=100

 
(撮影条件)
F=8, Exposure 0.8 sec,
ISO=100

③ Midori Green Advance(先染め)


(撮影条件)
F=8, Exposure 2.0 sec,
Gain=0, Gamma=1.0


(撮影条件)
F=8, Exposure 2.0 sec,
ISO=100


(撮影条件)
F=8, Exposure 1.6 sec,
ISO=100

④ Midori Green Advance(後染め)


(撮影条件)
F=8, Exposure 0.8 sec,
Gain=0, Gamma=1.0


(撮影条件)
F=8, Exposure 0.8 sec,
ISO=100


(撮影条件)
F=8, Exposure 0.8 sec,
ISO=100

⑤ Midori Green Direct


(撮影条件)
F=8, Exposure 2.0 sec,
Gain=0, Gamma=1.0


(撮影条件)
F=8, Exposure 2.0 sec,
ISO=100


(撮影条件)
F=8, Exposure 2.0 sec,
ISO=100

⑥ EtBr Solution(後染め)


(撮影条件)
F=8, Exposure 1.3 sec,
Gain=0, Gamma=1.0


(撮影条件)
F=8, Exposure 1.3 sec,
ISO=100


(撮影条件)
F=8, Exposure 1.3 sec,
ISO=100

結果

各ミドリグリーンシリーズ並びにエチジウムブロマイドを使用したアガロースゲル電気泳動の結果をFAS-Digi Compactを用いて検証したところ、FAS-VおよびFAS-Digi PRO同様にDNAのバンドを確認することができた。

総括
  • FAS-Digi Compactは、FAS-Digi PRO等と同様の用途で使用できることを確認した。
    また他機種と異なり、デジカメ本体で操作を行うため、直感的な操作でゲル撮影が可能である点がメリットに感じた。
  • FAS-Digi Compactは、ミドリグリーンシリーズ染色試薬を使用の方はもちろん、エチジウムブロマイドでも使用が可能であることから、現在はエチジウムブロマイドを使用しているが、将来的にミドリグリーンシリーズ染色試薬に切り替えを考えている場合においても、お勧めできる装置である。

 

この記事で紹介した製品

質問してみる!

「?」と思ったらすぐ解決。
どんな小さなことでもお気軽に。
ご意見・ご感想もお待ちしています。

WEB会員

記事の更新情報を受け取りたい方はコチラ

WEB会員 登録フォームへ

GeneF@N とは?