日本ジェネティクスのテクニカルノートとは?
発売したばかりの新製品の性能評価や、既存製品の最適な条件を追求するための条件検討をすることでお客様に心からご納得頂いた上で商品をお使い頂けるよう、様々な評価試験を行っています。
採用前の検討資料として、または採用後の最適条件検討資料としてご活用ください。
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目的
FAS-Digi Compactの性能について、FAS-VおよびFAS-Digi PROと比較し検証する。
評価方法
電気泳動後のアガロースゲルをそれぞれの撮影装置で撮影し、取得した画像について比較を行った。核酸染色試薬は、Midori Green Xtra、Midori Green Advance、Midori Green Directおよびエチジウムブロマイド(EtBr)を用いた。
実験方法
- 2%アガロースゲルを作製
・Midori Green Xtra 先染め(100 mLのゲルに対し4 μL)
・Midori Green Advance 先染め(100 mLのゲルに対し6 μL) - DNAサンプルをゲルにアプライ
・Midori Green Directはサンプルと混ぜてアプライ
DNAとMidori Green Directは5:1の比率で混合
※DNA量が0.125 μgの場合は、 Loading Dyeで4倍希釈したMidori Green Directを使用 - 電気泳動
後染めの場合は、電気泳動終了後、30分間染色する
・Midori Green Xtra(100 mLのバッファー中に10 μL)
・Midori Green Advance(100 mLのバッファー中に20 μL)
・EtBr Solution(0.5 μg/mL) - ゲル撮影装置にて、画像を取得する
※3つの機種での比較検証のため、同一の撮影条件で画像取得を行う
試薬および機器
- 2%アガロースゲル
1×TAE
(10×TAE nacalai tesque, Cat.No. 35430-61を希釈して使用)
アガロース(FastGene™, Cat.No. NE-AG02) - 泳動DNAサンプル
100 bp DNA Ladder(FastGene™, Cat.No. NE-MWD100)
6×KAPA DNA Loading Dye(KAPA, Cat.No. KD6300) - 核酸染色試薬
Midori Green Xtra(FastGene™, Cat.No. NE-MG10)
Midori Green Advance(FastGene™, Cat.No. NE-MG04)
Midori Green Direct(FastGene™, Cat.No. NE-MG06)
EtBr Solution(ニッポンジーン, Cat.No. 315-90051) - 電気泳動
電気泳動装置:Mupid–exU
泳動条件:100V、30 分
泳動バッファー:1×TAE
製品仕様比較
※Digital Photo Professionalで編集可能。TIFF形式の保存可
画像比較
①Midori Green Xtra(先染め)
②Midori Green Xtra(後染め)
③ Midori Green Advance(先染め)
④ Midori Green Advance(後染め)
⑤ Midori Green Direct
⑥ EtBr Solution(後染め)
結果
各ミドリグリーンシリーズ並びにエチジウムブロマイドを使用したアガロースゲル電気泳動の結果をFAS-Digi Compactを用いて検証したところ、FAS-VおよびFAS-Digi PRO同様にDNAのバンドを確認することができた。
総括
- FAS-Digi Compactは、FAS-Digi PRO等と同様の用途で使用できることを確認した。
また他機種と異なり、デジカメ本体で操作を行うため、直感的な操作でゲル撮影が可能である点がメリットに感じた。 - FAS-Digi Compactは、ミドリグリーンシリーズ染色試薬を使用の方はもちろん、エチジウムブロマイドでも使用が可能であることから、現在はエチジウムブロマイドを使用しているが、将来的にミドリグリーンシリーズ染色試薬に切り替えを考えている場合においても、お勧めできる装置である。