【製品性能評価】バキューム法を用いたFastGene™ Plasmid Mini Kitの使用方法

日本ジェネティクスのテクニカルノートとは?

発売したばかりの新製品の性能評価や、既存製品の最適な条件を追求するための条件検討をすることでお客様に心からご納得頂いた上で商品をお使い頂けるよう、様々な評価試験を行っています。
採用前の検討資料として、または採用後の最適条件検討資料としてご活用ください。
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テクニカルノート2020<05>
評価製品:FastGene™ Plasmid Mini Kit(Cat.No. FG-90402, FG-90502)

目的

本テクニカルノートでは、FastGene™ Plasmid Mini Kitを用いたカラム精製に、バキューム法を使用出来るかどうか検証しました。

背景

DNA精製のカラムに溶液を通過させる場合、通常、遠心を用いる事が多いが、この他にも、
バキュームを用いた方法があります。
このバキューム法を用いた方法は、カラムの入れ替え作業がいらないため、サンプル数が多い場合に作業時間を大きく短縮し、効率よく作業できる効果が期待できます。
本製品は、遠心法を推奨していますが、バキューム法を用いることは原理上、可能であると考えられます。
本データは、京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 松浦 顕教 様のご厚意により、ご提供いただきました。

方法

  • 大腸菌 Stbl3(Invitrogen)を一晩培養し、得られた6 mLの培養液を1 mLずつ、
    6つ(Sample1~6)に分注した。
  • Sample1, 2, 3は、取扱説明書記載の方法(ハイコピープラスミドDNA の精製 ―
    スタンダードプロトコル)に従い操作した。
  • Sample4, 5, 6については、バキューム法にて操作した。
  • メンブレン乾燥と溶出ステップは、Centrifuge 5415R(eppendorf)を用いて遠心法を使用した。
集菌
溶菌
ライセート清澄化
カラム統合
メンブレン洗浄
メンブレン乾燥
溶出

結果

    濃度
(ng/μL)
収量
(濃度×50 μL)
A260/A280 収量平均値±SD
遠心法 Sample 1 80.25 4012.50 2.02 4320.83±273.68
Sample 2 90.70 4535.00 2.03
Sample 3 88.30 4415.00 2.00
バキューム法 Sample 4 79.05 3952.50 1.97 4144.17±171.34
Sample 5 83.95 4197.50 1.95
Sample 6 85.65 4282.50 1.98

遠心法とバキューム法で、ほぼ同レベルの収量・純度が得られた。

結論

FastGene™ Plasmid Mini Kitのカラム精製をする際、遠心法の代わりにバキューム法を使用しても精製することができる。

ユーザー様からのコメント
収量・純度とも、若干低い結果となりましたが、誤差範囲ではないかと考えております。
純度は、A260/A280が1.9-2.0 の範囲であるため、全く問題ないと思います。
このため、バキューム法でも使用可能であると判断しました。

参考情報:全体図

システムを組んだ際の、全体図になります。
システムを組む際に、ご参照ください。

* 本テクニカルノートのデータをご提供いただいた際と、機器が異なります。
  VM20 VACUUM MANIFOLDからドライ真空ポンプ -0.08MPa GM-20S
(アズワン:2-944-01)に 変更となっております。

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