【お客様事例】SageELF™のサイズセレクションにおける回収率

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アプリケーションノート 2015<16>
製品名:自動DNA断片ゲル抽出システム SageELF™(ELF0001)
メーカー名:Sage Science社

下記アプリケーションノートは、国立遺伝学研究所 比較ゲノム解析研究室 のお客様のご厚意により掲載させていただきました。ここに深く感謝申し上げます。

背景

NGSの進歩によりMate PairライブラリーやPacBio RSIIのSMRTbellライブラリー等の手法が開発され、ゲノムの de novo シークエンスや構造変異の解析のための長鎖ライブラリー解析が可能となった。しかし、その一方で長鎖DNAの調製は課題が多く、効果的なライブラリー作製方法の開発が望まれている。
今回、Sage Science 社より発売されたマルチ・フラクショネーション装置SageELF™を用いて、長鎖DNAサイズセレクションを行い、SageELF™の特長と性能の評価を行った。

実験手順

■サンプルDNA
生物種    :大腸菌
ゲノム抽出方法:キアゲン社Genomic Tip 20GとBuffer setを使用

■ゲノムDNA断片化条件(目標:10kb)
 コバリスg-TUBEでシェアリング
遠心機:エッペンドルフ5424
DNA 8000ng/150μLを6000rpm, 2min 遠心

■SageELF™サイズセレクション条件
サンプル泳動量 :100ng/30μL , 5000ng/30μL 
ゲルカセット  :0.75%ゲルカセット 1-18kb v2
抽出条件    :size baseモード 
                              well No.5をTarget elution wellに設定
                              Target Valueを10kbとした

<ワークフロー>
約10kbにシェアリングしたサンプル

ゲノム抽出
  ↓
g-TUBEによるゲノム断片化
  ↓
SageELF™で分離回収
サンプル泳動量: 5000ng/30μL
         107ng/30μL
  ↓
AMPureで精製し、TEに懸濁
  ↓
Bioanalyzerで分画サイズの測定
Qubit dsDNA HS kitでDNA濃度測定

<SageELF™におけるフラクショネーション>
DNAを分離

アガロースゲルカセット内でDNAを分離します。

目的の断片を回収します。

メンブレンで仕切られた12列のウェルにDNA断片を電気的に溶出します。
溶出されたDNA断片はピペッティングで回収します。

結果

【DNA断片化結果】
断片化後の大腸菌ゲノム(SageELF™で切り出す前)      Pippin Pulse

シェアリングした大腸菌ゲノムをPippin Pulseで泳動
大腸菌DNAは250ng/well でアプライ
1kb Ext.Ladderは200ng/well
8-48kb Ladderは200ng/well

■泳動条件
0.75% Seakem Gold Agarose gel
0.5xTBE buffer、16hr泳動
10k-48kbを分離するプログラム使用

【SageELF™での結果】
上記のシェアリング後のサンプル5000ng分および107ng分を同じ設定でそれぞれELFで分離し回収した。
SageELF™は、No.5のwellを10kbに設定し、サンプルを5000ng/30μL、107ng/30μLにあわせ、アプライした。
泳動終了後、すべてのwellを回収し、AMPureで精製した後、14μL(インプット5000ng)、10μL(インプット107ng)のTEに懸濁した。

■5000ngの結果


※ DNA濃度
  Qubit dsDNA HS kitで測定
* No.5のwellを10kbに設定

【回収量の比較】

5000ngの場合
Start DNA 5000ng
Recovered DNA 1952.64ng
Recovery ratio 39.053%

■107ngの結果

※ DNA濃度
 Qubit dsDNA HS kitで測定
* No.5のwellを10kbに設定

【回収量の比較】

107ngの場合
Start DNA 107ng
Recovered DNA 41.806ng
Recovery ratio 38.89%
まとめ
ELFでは、最大ロード量の5000ngの時でも最小ロード量107ngの時でも、トータルで約4割の回収量となった。
お客様のコメント
SageELF™は、インプット量にかかわらず回収率が安定していることがわかりました。
この装置を使用することでマルチ・フラクショネーションが自動化されMate PairやIso-sequence解析用のライブラリが、より簡単に作成できるようになると思います。

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