【お客様事例】アンチセンス法によるノックダウン後の安定したRNA抽出とqPCR定量

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アプリケーションノート 2018<14> 
製品名:TRIsure(トータルRNA抽出試薬)(BIO-38032)
メーカー名:BIOLINE 社

下記のデータは、東京大学 定量生命科学研究所 分子情報研究分野( 秋山研究室)山角 祐介様のご厚意により掲載させていただきました。

概要

geneXに対するantisense oligoを用いたノックダウン実験を実施した。目的遺伝子をノックダウンさせた細胞からTRIsureにてRNAを抽出した。
逆転写反応によりcDNAに変換後、リアルタイムPCRによる定量を行った。
核酸の種類は2 種類(NA-1, NA-2)、antisense oligoの配列は2配列(Anti-GeneX-1,Anti-GeneX-2)を用いた。

TRIsure(トータルRNA抽出試薬)
  Cat.No. BIO-38032

 • フェノール抽出試薬
  • 有機相が淡緑色に色が付くため水相(RNAを含む)の回収が容易
  • RNAの抽出が約1時間で可能
  • 操作しやすい広口ボトル

ワークフロー

1.サンプル準備
 1)A549 細胞1.1×105 cell/ml×1 ml /well をプレートに播種した。
 (プレート:TrueLine Cell Culture Plates 12ウェルタイプ(TrueLine))
 2)細胞にReverse transfectionでAntisense oligoを導入した。
 (トランスフェクション試薬:ipofectamine® RNAiMAX Transfection Reagent(Thermo Fisher Scientific ))
 3)48時間培養後、培地を捨て、PBSで細胞を洗浄した。
3.RNAの収量・濃度測定
  ┗RNAの濃度をNanoDropで測定した。  ——結果1.収量・純度の測定結果
4.逆転写反応
  ┗RNAを逆転写反応させ、cDNAを合成した。
   (逆転写酵素:PrimeScript™ RT Master Mix(Perfect Real Time)(TaKaRa))

  ●反応組成     ●反応プログラム      
   Total RNA 500 ng   アニーリング・逆転写反応  37℃ ・15 min
   Primescript RT Master Mix 2 μL  
   MilliQ up to 10 μL   逆転写酵素の熱失活  85℃ ・5 sec    
  (total volume   10 μL)      
      ホールド  4℃

 

 

 

 

 

結果

結果1. 収量・純度の測定結果

    ng/μL A260/A280 A260/A230 A260 A280 A230
NA-1 Control 188.78 1.86 1.68 4.72 2.53 2.82
Anti-geneX-1 202.10 1.77 2.22 5.05 2.86 2.28
Anti-geneX-2 188.93 1.85 2.07 4.72 2.56 2.28
NA-2 Control 207.63 1.95 0.54 5.19 2.66 9.67
Anti-geneX-1 171.65 1.78 2.06 4.29 2.41 2.08
Anti-geneX-2 192.49 1.79 2.13 4.81 2.68 2.26
サンプル間であまりぶれず、十分量のRNAを回収することが出来た。NA-2のコントロールでA260/A230の値が低いのは、水層を取る際にグアニジンイソチオシアネートやフェノールが混入したためと考えられる。

結果2.リアルタイムPCRの結果

geneXを標的とするAntisense oligoを細胞に導入することで、geneXの発現量を減少させることが出来ることが明らかになった。
 
お客様のコメント
当研究室は、遺伝子の発現量の変化に着目した研究を主に行っているため、細胞からRNAを回収する機会が非常に多い。TRIsureは、安価であるにもかかわらず、高品質のRNAが高収量で得られるのでとても重宝している。

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