日本ジェネティクスのアプリケーションノートとは?
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下記のデータは、東京大学大学院農学生命科学研究科 応用動物科学専攻 細胞生化学研究室 片岡 直行 様より情報をご提供いただきました。
概要
細胞を凍結保管する場合、2-プロパノールを用いた冷却補助容器等をご使用される方がいらっしゃると思います。
対して、バンバンカーシリーズでは、冷却補助容器等を用いなくとも、十分な生存率を維持できる細胞冷凍保存液となっております。
本アプリケーションノートでは、コストと手間を削減するため、カニクイザルの胎盤幹細胞が、予備凍結無しで-80℃冷凍保存が可能か検討しました。
評価方法
- 細胞培養条件
使用した細胞:カニクイザル胚盤胞由来 Trophoblast Stem cells
培地:RPMI-1640(富士フイルム和光純薬株式会社、Cat.No.186-02155)
+20% FBS(Sigma-Aldrich、Cat.No. F7524)
+2 mM L-Glutamine(富士フイルム和光純薬株式会社、Cat.No. 073-05391)
+1 mM Sodium Pyruvate(富士フイルム和光純薬株式会社、Cat.No.190-14881)
+0.1 mM 2-mercaptoethanol(富士フイルム和光純薬株式会社、Cat.No.198-15781)
+50 U/mL Penicillin, 50 μg/mL streptomycin(富士フイルム和光純薬株式会社、Cat.No.168-23191)
インキュベーター:37℃、5% CO2、湿度95%
- 細胞の凍結時条件
6cm dishで、80% confluentになった時点で細胞を回収した。回収した細胞の1/5量を、バンバンカーhRMおよび他社の細胞冷凍保存液で懸濁を行った。cryotubeにそれぞれの懸濁液1 mLを分注し、凍結した。
- 凍結時の条件<バンバンカーhRMの場合>
保存細胞数:4 ~ 5×105cells※/cryotube(※細胞数は測定していないため、概算の値)
保存温度:-80℃
保管期間:2日間
凍結方法:cryotubeを紙製のボックスに入れて-80℃のフリーザーで凍結
- 凍結時の条件<他社の細胞冷凍保存液の場合>
保存細胞数:4 ~ 5×105cells※/cryotube(※細胞数は測定していないため、概算の値)
保存温度:-80℃
保管期間:2日間
凍結方法:2-プロパノールを用いた冷却補助容器にcryotubeを入れて、-80℃のフリーザーで凍結
- 解凍方法
37℃の温水中でチューブを振りながら、急速解凍をした。
- 解凍後の生存率
顕微鏡による目視により、生存率を確認した。
結果
解凍後の細胞形態
- 顕微鏡による目視で確認したところ、生存率はおよそ90%程度で、細胞の形態も問題なかった。
- 他社の細胞冷凍保存液での2-プロパノールを用いた冷却/凍結法と遜色ない細胞生存率および増殖能を示した。
結論
バンバンカーhRMを用いて、カニクイザルの胎盤幹細胞を予備凍結無しで冷凍保存することができた。- 大変優秀な結果であったと考えています。
- 2-プロパノールを用いた冷却法を行わなくてすむため、2-プロパノールとお金の節約になります。
この記事で紹介した製品
- こちらのアプリケーションノートのPDFダウンロード:こちら
- 製品情報詳細ページ:バンバンカーhRM(Cat.No.CS-11-001)
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