ibidiポンプを使用した血管モデル系の構築

ibidi社はドイツの細胞観察器具メーカーです。本特集は、このibidi 社より販売されている灌流培養専用装置ibidiポンプシステムに関する特集になります。
ibidi社SNSで紹介されたibidiポンプシステム掲載論文の紹介記事に併せて、製品ポイントについても解説しておりますので、ぜひご覧ください。

この記事で紹介した製品はこちら

ibidi社からの論文紹介記事

Great application of the ibidi Pump System and Channel Slides: Elana van Rooden – Meijer and her colleagues developed a perfusable 3D model to simulate human blood vessels in vitro. Read the full paper here: https://lnkd.in/ev7GsEQV

――ibidiポンプシステムとチャンネルスライドの使用事例のご紹介です。E. Meijer氏らは、in vitroでヒト血管を模倣した灌流3Dモデルを開発しました。論文はこちらにございます: https://lnkd.in/ev7GsEQV。

製品

ibidi Pump System（#ib10902）
Perfusion system red（#ib10962）※こちらの製品については、ワケンビーテック様にお問い合わせください。
µ-Slide VI 0.4（#ib80602）

解説

ヒトiPS細胞より作成した血管オルガノイドより内皮細胞（organoid-derived endothelial cells, ODEC）と平滑筋細胞（organoid-derived mural cells, ODMC）を単離し、その細胞機能評価にibidiポンプを使用した論文です。
具体的には、シェアストレス下での細胞挙動を評価する際に、ibidiポンプとその専用スライド（チャネルスライド）を使用しています。また、自作したバイオリアクターの動力ポンプとしてもibidiポンプを使用しています。
このことからも、セットアップしてすぐ使用できる簡便性と、オリジナルディバイスにも適合できる汎用性を兼備したibidiポンプのメリットがわかります。

本論文で使用されている製品について

ポイント

①灌流培養用ポンプシステム『ibidiポンプ』

培地を灌流（フロー）させながら細胞を生育、観察できる装置です。
HUVEC（ヒト臍帯静脈内皮細胞）などの内皮細胞にシェアストレスを与えながら培養することで、血管を模倣した、より生体内に近い条件の培養が可能になります。
左右シリンジの培地を切り換えつつ、同時に送液ラインも切り換えることで、途切れることなく“長期間”かつ“一定方向”の灌流を可能にします。
専用ソフトには、ibidi社製チャネルスライドの形状がプログラムされており、数値を入力するだけで、シェアストレス等の物理パラメーターを細胞に与え、流量、シェアストレスを自在にコントロールできます。
装置の組み方を変えれば、多様な流れ（一方向定常流、パルス、振動流）も作り出すことが可能です。
ステージトップインキュベーションシステムとの組み合わせることで、培養しながら顕微鏡観察することもできます。