日本ジェネティクスのテクニカルノートとは?
発売したばかりの新製品の性能評価や、既存製品の最適な条件を追求するための条件検討をすることでお客様に心からご納得頂いた上で商品をお使い頂けるよう、様々な評価試験を行っています。
採用前の検討資料として、または採用後の最適条件検討資料としてご活用ください。
また、当データに関するご質問はお気軽にページ下部のフォームよりお問い合わせください。
テクニカルノート2017<02> 評価製品:FastGene™ RNA Basic kit(DNase処理なし) FastGene™ RNA Premium kit(DNase処理あり) |
目的
FastGene™ RNA Basic kit・FastGene™ RNA Premium kitと他社RNA抽出キットを用いて抽出したRNAの収量・品質(RIN値)・純度を評価し、性能を比較する
背景
RNAとは、リボ核酸のことであり、核酸塩基は、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、ウラシル(U) の4 種で構成されています。RNAはDNAと比較すると構造的に不安定であるため、取扱には注意が必要であることが知られています。
一般的にRNAの抽出には、フェノール法やシリカメンブレン等のキットを使用する方法が知られています。
弊社では、オリジナルブランドFastGene™よりシリカメンブレンを使用したRNA精製キットの開発を進めてきました。その開発に当たり、「自分たちで納得できない製品は販売することはできない!」という想いの元、評価ポイント・実験スキーム・結果の解析にこだわって試験を行いました。
本技術資料では、これら評価試験の最終段階で、得られた結果を「収量・品質(RIN値)・純度」の点で評価した事例をご紹介します。
実験条件
サンプル :20 mg BL/6マウス肝臓組織(1キットにつきn=3)
[評価ポイント]
1. 収量:吸光度測定(Implen)
2. 品質(RIN):Agilent社Bioanalyzer(RIN 値)
3. 純度:リアルタイムPCR
実験手順とキットの特長
DNase処理なし | DNase処理あり | |
結果
1. 収量
FastGene™ Basic kit (DNase処理なし) | FastGene™ Premium kit (DNase処理あり) |
他社キット :
1 回目も2 回目も同じ傾向を示した。 FastGene™ : 1 回目と2 回目は、若干結果が異なった。 これは、初発サンプルの違いによるものであると考えられる。 |
他社キット & FastGene™ :
1 回目も2 回目も同じ傾向を示した。 |
2. 品質
3. 純度
リアルタイムPCRによる残留ゲノムDNA量の確認 | |
残留ゲノムDNA[%] = | qPCRによる残留ゲノムDNA量[ng]qRT-PCRによるRNA収量[ng] |
FastGene™ Basic kit (DNase処理なし) | FastGene™ Premium kit (DNase処理あり) |
ゲノムDNAの残留率は、バッチ間で異なっていた。
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1 回目と2 回目の結果は異なっていた。
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■ 残留ゲノムDNA量のコピー数
FastGene™ Premium kit (DNase処理あり) |
他社キット :
ゲノムDNAの除去効率は、一定ではなかった。 FastGene™ : ゲノムDNAの除去率は再現性が高く、高効率であった。 |
FastGene™ RNA Basic / Premium kit は、収量・品質(RIN)・純度において、他社キットと同等、または同等以上の性能が得られました。
FastGene™ Basic kit (DNase処理なし) | FastGene™ Premium kit (DNase処理あり) | ||
• 収量 • 品質 (RIN) • 純度 (gDNA残留率) |
同等 同等以上 同等 |
• 収量 • 品質 (RIN) • 純度 (gDNA残留率) |
同等 同等以上 同等以上 |
キットに付属のカラム | |
① FastGene™ RNA binding column (グリーン) RNA結合/精製フィルター |
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② FastGene™ RNA filter column (イエロー) 細胞残渣・高分子除去用フィルター |
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③ FastGene™ RNA minielute column (ホワイト) RNA濃縮用低溶出フィルター |
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※②と③はPremium kitのみに入っています。 |