【お客様事例】ゼブラフィッシュの受精卵から抽出したRNAを用いた逆転写酵素反応の比較検討

日本ジェネティクスのアプリケーションノートとは?

  • 当社製品を実際にご使用頂いた、正真正銘、日本国内の研究者様による評価データ
  • 製品をご検討中の方はもちろん、すでにお使いのお客様におかれましても、類似の研究をされている他の研究者の方の事例集としてご活用頂けます

アプリケーション検索専用ページはこちら


アプリケーションノート 2018<08>
製品名:FastGene™ ScriptaseⅡ(NE-LS53)
メーカー名:日本ジェネティクス株式会社

下記のデータは、北海道大学 理学研究院 生物科学部門 生殖発生生物学講座 小谷 友也様のご厚意により掲載させていただきました。

はじめに

卵母細胞に蓄えられた母性因子は受精と発生に極めて重要ですが、発現量が微量の転写産物もあり研究は困難です。
今回、検出を試みた転写産物は発生において重要な機能を持つと考えられますが、その発現量が極めて微量であることが予測されました。
FastGene™ ScriptaseⅡ を用いて研究対象の転写産物を検出するとともに、得られたPCR産物はゲル精製後にクローニングし、変異なく逆転写されていることも確認できました。

方法

初発サンプル : ゼブラフィッシュ – 受精卵 50 個


RNA精製:TRIzol Reagent( Thermo社)
  ↓
<逆転写反応( 製品の比較検討)> 
 ■ 従来のキット(T 社)
 ■ FastGene™ Scriptase Ⅱ  
  ↓
 PCR装置:GeneAtlas 485(メーカー:ASTEC)
 PCR酵素:Expand High Fidelity PCR System(Roche-Sigma)

<PCRプログラム>
 Predenature  94℃, 4 min
  ↓
 Denature  94℃, 30 sec
  ↓
 Annealing  55℃, 30sec   ×35cycles
  ↓
 Extension  72℃, 60 sec./ kb

  ↓
<電気泳動>
 電気泳動装置:Mupid-2x
 泳動Buffer:TAE
 電圧:100V
   泳動時間:15min         

FastGene™ Scriptase Ⅱ
RNAのインプット量 total RNA 3 μg
<鋳型RNAの量は下記の量まで使用できます>
• Total RNA:1 ng-5 μg
• Messenger RNA(mRNA):1 ng-0.25 μg
• Specific RNA:0.01 pg-0.5 μg
  +
oligo dT primer 1 μL を混合
  +
dNTP Mixture を 2 μL 添加
   ↓
合計12.5μL となるように 蒸留水を添加する
   ↓
65℃で5分間インキュベート後、氷上にて冷却
   ↓
<コンポーネントの添加>
 5x FastGene Scriptase II buffer  4 μL
 0.1 M DTT           2 μL
 RNase Inhibitor         0.5 μL

        ↓
42℃で2 分間インキュベート
   ↓
氷上でRNA 懸濁液に、1μL FastGene™ ScriptaseⅡ を添加する
   ↓
42℃で50 分間インキュベート
   ↓
70℃で15 分インキュベートし酵素を完全に不活化させる

結果

発現量の極めて少ない転写産物を少ないバックグラウンドで検出することが出来た。

T社:従来のキット
Scr:ScriptaseⅡ

<増幅サイズ>
遺伝子A(目的増幅産物) : 1100bp
遺伝子B(positive control) : 約300bp

お客様のコメント
既存のキット(T社)を使用していましたが、これに替わる廉価な逆転写酵素を探していました。
私の研究室ではFastGene社の製品をいくつか使用していますが、それらは廉価で質が良く評価が高いため、今回の製品を試しました。結果、発現量の極めて少ない転写産物を検出することができ、廉価なだけでなく非常に優れた逆転写酵素であることが分かりました。今後も使用していく予定です。

質問してみる!

「?」と思ったらすぐ解決。
どんな小さなことでもお気軽に。
ご意見・ご感想もお待ちしています。

WEB会員

記事の更新情報を受け取りたい方はコチラ

WEB会員 登録フォームへ

GeneF@N とは?